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初心者でもわかる株式投資術 第12回 下落相場でがっかりしている人たちへ

諸君、これまで俺の説明は分散投資の勧めに従って、投資信託とかETFを前提にしてきた。今日はもともとは個別株の話をしようと思っていたのだが、ここ1~2週間荒れた相場が続いているので、前回の株の噂話はシャットダウンすべしという話の流れで、こういう時に投資家マインド的にはどう考えたらよいかについて話すことにしよう。

毎度のことだが、俺は株式投資だけでなく、モテる技術も紹介しているので、興味がある諸君はぜひ読んでみて欲しい(自己紹介も第2回にある)。

最近、日本も米国も株価が下がり気味なのでいろんな情報がネットに上がってきている。ネットのコメントなどもついつい読んでしまっている向きも多いと思うが、そういう情報のいくつはこんな情報ではないか?

・株価はもっと下がるぞというメディアのあお
・次はこうなるという予想屋(為替と株両方)
・素人はプロに出し抜かれて騙されるだけというプロの仕掛け説

前回同様、こういう話は大して意味はないぞ。根拠はこうだ。

まず、一番最初の点だ。

株が下がる時に限らず、世の中がもっと悪くなると煽るのはメディアの宿命だ。政治が悪い、経済が悪い、悪い人間がいる、そういう人の感情が強く揺り動かされることで注目を浴びない限り、メディアの記事は誰も読んでくれない。「まぁ世の中こんなもんだし、明日も未来も明るいから大丈夫だ」と書いてある新聞やメディア記事を俺は一度も読んだことがない。

直近でいうと、以前も説明しているが米国でリセッション危機があった。こういう言葉が世の中にあるわけではなく俺の言葉なんだが、要するに米国がコロナ禍の低金利に慣れてしまい株価も絶好調だったが、インフレになり始めたので金利を上げはじめたから、どこかで企業や消費者がが金利上昇についてこれず破綻したり、大恐慌が起きるんじゃないか?という時期だ。

ちょっとチャートにしてみたぞ。

10年間のS&P500のチャート(Yahooファイナンス)

このチャートで言うと、2021年12月の株価ピークから2022年9月のボトム(底値)のところまでが該当する。混乱は9か月間続き、株価は実に25%下げた計算だ。たしかに25%下げてたかもしれないが、コロナより以前に株を買っていた分はマイナスになっていない(指数・平均的には)ことはグラフで分かるし、2022年10月以降は大きく回復していることもわかるだろう。

ほぼ確実に言えるのは、分散投資をしていれば、相場は下がってもいずれは上がる(個別株の場合はそうとも言い切れないから注意だぞ)。少なくとも分散投資をしていれば、下がった時期は割安に株が買えたということだ。諸君の中でも分散かつ積み立てで株を購入している向きも多いと思うが、実はかなり良い投資方法であることが分かってもらえるはずだ。

2つめは、「次はこうなるぞ」という予想屋の出現に関してだな。これもかなり怪しい。というか特に為替予想はほとんど役に立たない。

最近なぜ円高に振れてきているかと言えば、米国では9月に久々の利下げが行われるのではないか?という憶測がある。一方、日本では日銀が追加利上げということで、日米の金利差が縮まることによって価格差(為替格差)が小さくなるのでは?ということだ。トランプ元大統領が再び大統領になればドル高を嫌うから円高では?というような予想もある。

が、しかしすべて予想に過ぎない。もともと為替には幾らが正しいという基準が無いのだ。

実際、為替介入は既に2回以上行われていたが円安は解消しなかった。しかし、為替介入には関係のない米国の利下げ(憶測)や国内利上げで10円近く円が上がっている。この手の話は他にもあって、昨年12月には、日銀の上田総裁が「一段とチャレンジングになる」と発言しただけで5円ぐらいの円高になった。もちろん、この円高は直ぐに円安に戻ってしまっている。さらに前の2022年終わりに日銀が為替介入に入った際には128円まで円は上がり、このまま120円台で安定するかと思ったが、結局160円まで下がっている。

要するに、為替に詳しいと自負するトレーダーやプロのディーラーがもっともらしく素早く動いたように見えて、実は中長期で見ると円高・円安の動きを見誤っているのだ。結局のところ、為替は予想であり確たる理論は存在しない。しかし、100人ぐらいが予想すれば誰かは当たる。

為替予想で株を取引するのは少なくとも俺個人は勧めない。特に今はドルで購入する米国株式やETFは、円高になると資産残高が減って見え運用的にはプラスであったとしても、残高が減るという何やら陰鬱いんうつな気分になりやすい。そこに「もっと円高が進むぞ!」という意見を聞いてしまえば、「米国株をやめて日本株にしようか?」と思いがちだろうが、少なくとも為替が理由(特に将来の為替予想)で株の投資先を変えるのはそれほどメリットが無いことだから注意してくれ。

最後は、株は素人が手を出すとプロにはめられるからやめとけという、プロは何でも知っている説おじさんの話だな。

これは無くはない。というのも株の世界には仕手株と言うのがあるし、世界にはヘッジファンドという何をやっているのかはわからないが、何か悪いことをしてそうな大量の資金を保有する投資会社がある。

仕手筋は情報をうまく流して事前に仕込んでおいた株を市場に買わせ、値上がったところで売り抜けるので、素人がこの株を買ってしまうとほとんどの場合損をする。

ヘッジファンドは大量の資金を使って特定のポジションを作って(空売りも対象)、自分たちの目標を達成するとポジションをクローズする。

どちらも、確かに素人には勝てそうもない。彼らと逆のポジションを取ればすぐに損失が確定するだろう。

ただ、これは個別株の中の特定銘柄に限った話だ。分散投資には無関係だし、どちらのパターンもプロ側はもっと謙虚(まぁ悪い奴らには映るが)で、特定の銘柄だけで力を発揮しようとしている。最初からマーケット全体を動かせるなんて思っていないのだ。

しかも、プロの投資家がマーケットを素人よりも分かっているかどうかも怪しい。実際、大損しているヘッジファンドや一般投資家のリターンにも及ばない有名投資家はよくニュースになるし、実際、ここ何日かでもNVIDIAの株価が7%下がったかと思ったら、翌日には13%上がるというプロだったら恐らくそんな売り買いはしないだろうという値動きもある。要するに、誰も株価の未来なんて分かっていない。

付け加えるとすれば、本当に購買力があって株を買いまくっている組織はちょっとした投資会社ではなく、公的機関だったりする。日本だとGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人で運用資産は220兆円で世界第最規模)とか米国だとカリフォルニア州のカルパースと呼ばれるカリフォルニア州職員退職年金基金(79兆円)など。

ただ、こういう大口投資家は株のポジションをコロコロ変えたりしない。何かの基準で銘柄を決めたらそれを買い続けたり持ち続ける。25%上がったら売るとか、今NVIDIAが来てるから買ってみようかなんて短期での売買はやらないのだ。銘柄の入れ替えや新規購入には理由や客観性や妥当性が必要だから。

株の世界にプロはいるんだが、マーケットを掌握し未来を予測できるプロは一人もいない。だから、それぞれが工夫して自分の得意なパターンを見つけようと必死になっているわけだ。つまり「株は素人が手を出すと危険だ」というのは知ったかぶりのコメントでしかない。

まとめに入るぞ。

米国は利下げムードで下がり気味だった株価は今後どうなるのか?、日本は円高ムードで株価停滞の様相だが今後どうなるのか?ということを細かく気にしていてもしょうがない。未来は誰にもわからない。

俺の教えは、淡々と分散されている株やETF、投資信託を買い続けるかつ持ち続ける他に方法はない。誰かの予想が当たりそうだからと言って極端なポジションを取れば(全部売る、大きく買う等)、想定と逆に振れた時にそれまでコツコツ蓄積してきた利益を大きく棄損する可能性があるから気を付けて欲しい。

最近株を始めた諸君にはなかなかつらい相場かもしれないが、何度も言うが「投資は規律」なのだ。淡々と進めていくしかない。株価が上がったら大きく投資し、下がったら投資しないと言うのは実は一番の悪手であることは、この連載を読んでくれている諸君なら理解しているだろう(あくまで分散投資の場合だがな)。

諸君の健闘を祈る。

次回からは個別株の話を少しずつしていこうかと考えているぞ。

ではまた次回だ!

注意:この記事および連載は諸君に具体的な投資銘柄を勧めるものでは
   ないし、将来的な投資パフォーマンスを約束するものでもない。
   投資はあくまでも自己責任で行ってくれ。

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