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AIを使ってレストランのフードロス削減するWINNOW|世界のサステナブルな企業紹介

世界食糧機構(FAO)によれば、現在世界中で生産されている食糧のうち、およそ3分の1はロスもしくは廃棄されています。特に先進国では、全体の食糧サプライチェーンの中でも、消費者サイドの廃棄率が高いことが指摘されています。

そんな中、ホテルやレストランのフードロス削減をAIを活用した技術で実現しようとするのが、2013年に創業したイギリスのスタートアップ企業Winnowです。同社はAIを搭載したカメラと重量計をレストランのキッチン内ゴミ箱に設置し、キッチンで働く従業員がゴミ箱に食品廃棄物を投入するたびに、自動的にその食品の種類を特定、さらにその重量を計測&記録することができます。

この技術により、キッチンで排出される食品廃棄において「どんな種類のゴミがどれだけ出ているのか」が非常に明確な数値データとしてモニタリングすることが可能となります。

結果、そのデータを元にレストランオーナーやシェフは食品廃棄率の高いメニューを減らしたり、より廃棄の少ない食材を選んだりすることができるため、食品廃棄量を減少させることができるという仕組みです。

同社の製品はすでに世界40カ国にて使用されており、このソリューションを使い始めたレストランは6~12ヶ月以内に食品廃棄物が40~70%削減され、合計で2~8%の食材費削減につながるというデータが出ているとのこと。

実は、私自身もWinnowのシステムをPizza 4P'sにて検討するために何度か同社と面談を行ったことがあります。ただ結論としては、同社のシステムは日常的に大量に食品廃棄を排出しているブッフェレストランには非常に効果的だけれども、アラカルトでメニューを提供しているレストランにはかなり高額なシステムだと感じました。

ブッフェレストランは食べ残しメニューを全て小売単価にて廃棄量を計上しているため、それらを削減することによる経済的価値は比較的大きくなり、よって投資回収年数は短くなります。

一方、アラカルトのレストランでの廃棄食材はほとんどが食材の仕入原価での計算になるため、投資回収年数は非常に長くなりがちです。よって、Winnowのような高額なシステムは、大きなブッフェレストランでなければ割りに合いません。事実、同社の顧客はヒルトンホテルやIKEAといったブッフェ形態の飲食店が主なようです。

今後、小・中規模のレストランでも導入メリットのあるシステムが開発されることを期待します。(が、それには時間がかかりそうなので、まずは社内で自作します・・・笑)

こんにちは。ベトナムのホーチミンに住んでます。Pizza 4P'sというレストランのサステナビリティ担当です。