季節の最高の瞬間を押し固めたnote。雨だっていい天気じゃないか。【写真】
それぞれの四季を感じては日々を愉しんでいる。旅行に行きたくなるのはいろんな場所でいろんな四季を感じたいからかもしれない....。
【夏】
薫風
夏のイメージといえば8月あたりが真っ先に思い浮かぶけど、実際はまだジメっとしていない爽やかな風から始まる。少しの夏っぽさを載せて薫ってくる風。生垣の緑が茂って田んぼに水がはられる。各地で鏡のような田んぼが見られるのはこの時期で逆さまに映る夕日を探すのも楽しい。
梅雨
残念ながら梅雨が嫌いな人は多い。その理由はいくつも思いつくし気持ちもわかる。でも実は雨の面白さってたくさんある。
雨には日本独特の落ち着きを感じる。
部屋の中から降りしきる雨音を聴きながらゆったりと流れる時間も、ガラスに打ち付けては流れていく様子を見る時もただ普段の生活よりも時間の流れを感じ、その一瞬に神経を集中させる何かがある。
車に乗っている時も天井に当たる音やワイパーがかきとってゆく水の動き、溜まった水が流れる様子、ライトに照らされて輝く雨粒。どれをとっても日常でありながら非日常を感じる。
雨上がりに地面に落ちた空も、水道をひねって再現するのにはあまりに水がたくさん必要だ。
“雨のにおい”という表現はよく言われるが一つじゃない。
暑い日の夕立、アスファルトから湿気とともに立ち上る“あのにおい”もあれば、深い森の中、山の夜明けに似たにおい。雨が降る前の大気のしけったにおいなど種類がある。
雨は五感で感じることのできるもっとも身近な自然の一つだと思う。
最後に雨に打たれてはしゃいだのはいつだろう?大人になると洗濯とか他の心配ごとでそれどころじゃなくなってしまうよね。
雨上がりのホコリが落ち切って透き通る大気を感じている人はどれくらいいるだろう。アスファルトに積もった砂が流れてタイヤが滑らかころがり、夜景も澄み切って遠くまでキラキラと見える。
いつも大好きかと言えばそうでない時もある。でも僕は雨がすきな人間らしい。雨も晴れも好きなら、ほとんどの天気は好きということになる。これはかなり得なのかもしれない。
明るすぎる日差し
雨とは対照的に夏独特の日差しがある。
どの季節でも最高に晴れな日というのは存在するけれども夏だけは別次元だ。
この明るさと力強さはこの時期にしかない。太陽の方を見なくても眩しい。道が明るい。まぶしい。
このエネルギーに汗ばみながらも心が躍る
ひたすらに明るいし、ひたすらに空は青い。
他の季節にない明るさを感じながエアコンを全開にして目的地までの道をゆく。この明るさを見ていると、どこへでもいけそうな気になってくる。
夏の夏らしさに殴られている。
【秋】
寂しい空気感と変わり目のにおい
夜にコンビニに行く時、半袖だと肌寒くて、ロンTがちょうどいいこの季節。
金木犀の時期でもある。風を感じながら車を走らせると、どこからともなく薫ってくる。
金木犀も【秋】と同じく、気付いたら終わってしまう。一年のうちで少ししかない貴重さがより味わい深いものにしている気がする。短い時だと1週間くらいだろうか。心地良いなと存分に薫りをかいで、お腹いっぱいになるまで散歩して、そうやって季節を感じないといつの間にか冬になってしまう。
哀愁なんて言葉に秋が含まれるように寂しさとか終わりを感じる。暑くて元気でエネルギー溢れる季節が過ぎてどこかへ消えてしまう。
早く終われとか冬になれとか思っていたのがいつの間にか次に来るこの季節を思って急に寂しくなる不思議だ。
紅葉
これもはずせない。
僕はまだ若い方だと思っていたけど、いつのまに枯れかかった葉っぱを見に行くのが楽しみになってしまった。田舎の景色が緑から茶色に変わっていく様子と、そこで農作業をする背中を丸めた老人を見ては田舎の良さを実感する。
【冬】
影
朝になって布団から出たくなくなるこの季節。
日差しが低くなるこの時期は、影の落ち方で景色がより一層ドラマチックにする。
街中を散歩してスナップを撮るのにより一層面白いのはこの季節だと思う。
足早に目的地に向かう人が多いのは早く歩くほど体が温まるからなのか。
ただ寒いだけで心が暗くなる、お腹が空いていると最悪で二つが重なるとどうにもしんどい季節かもしれない。
その反面“暖かい”と言うだけで幸せを感じられるのもこの季節特有かもしれない。息が白い寒さの中でも車に乗って暖房をつければ、暖かい服を着れば、部屋に帰ってストーブを焚けば。
寒さによる筋肉の緊張が溶けて、ホッとする。
立体のある方向だけに光が当たる様子も綺麗だ
雪
僕の住んでいる地域は一年に数回パラつくけど積もることはほとんどない地域。だからなのかわざわざ寒い場所へ足を運んで雪景色見にいく。
モギュモギュと音を立てて歩くのも毎年新鮮に感じるし、シンと異様に静かなな様も雪のおかげ。
【春】
花
期待と不安の時期。入学も入社もしない、特に特別な行事がない人間でもふと感じる春独特の空気感。
何か新しいことが始まりそうで、なんとなくうまくいきそうな気がするあの感じ。通学や通勤、まだ温まり切っていない空気を鼻から大きく吸い込んで一歩踏み出す。
日差しと共に冬の寒さの緊張がほぐれて季節が変わるのを感じる。車の窓を開ければ、外を歩けば、桜より一歩先に梅の香りがする。
街中の水路の両側に植えられた桜がふっと吹いた風に吹かれて散っては水面に落ちて水の流れの緩急が見えるようになる。
山あいの水を張る前の田んぼの並ぶ中に一本ぽつりと咲き誇る桜を見つけると近くで見たくなる。何年も前に誰かが苗を植えたのだろう、のびのびと枝を伸ばしている。
そしてまた、水を張った田んぼに空がうつる季節がやってくる。
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