一日一日って数えるとすぐだけど、積み上げると大きいよねっていう話

当然なんですけどね、こういうどう考えても当然なことにふと気づいたり実感したりするよねっていう話。

大学の時、全く未経験だったけどストリートダンスサークルに入った。
ちょっと大きめのインカレサークルで、いろんな大学の子と友達になれるの楽しそうだなーっていうのと、高校時代に文化祭とかでやったダンスが楽しかったからちゃんとやってみたいなーという軽い気持ちだった。

入ったサークルは初心者も多くて（そもそもリズムの数え方って？？みたいな子もいたりして）、基礎の基礎からどうやって練習したらいいかとかまで、優しい先輩が教えてくれた。アットホームなサークルだった。

サークルの練習自体は週1か2日くらい。大学や地域の体育館を借りて大人数で練習する。
ダンスの練習において鏡を見て自分の形を確認する、ということは基礎中の基礎。でもそんな大人数の練習では鏡の取り合いになる。
そうすると、一人でじっくり練習するいわゆる「自主練」の必要性が出てくる。

そんな週に何回かの練習だけでうまくなれる人なんてそうそういないもので。
上手い先輩の中でも大学から始めてめちゃめちゃ上手い先輩というものは基本的に自主練の鬼だった。
大学のガラス張りの建物の前に陣取り、イヤホンで音楽を流しながらひたすらに自分と向き合う。そんな「ストリートダンス」の世間の印象とはかけ離れた、修行僧みたいな人がゴロゴロいた。
雨にも負けず風にも負けず、夏の暑さにも冬の寒さにもなんなら大雪にも負けず。
ほんとに毎日きて淡々と自主練に励む先輩もいた。影では主と呼ばれていた。

負けず嫌いの私も例に漏れず。サークルに入ってすぐに自主練の鬼と化した。
初心者ってできるようになるのも早いから、練習すればするほど自分がレベルアップするのがわかって楽しかったし、何せ自主練を頑張っていると先輩からの評価も良かった。
頑張っているとダンス上手くて優しくてめっちゃ美人orかっこいい先輩が雑談がてら教えてくれたりするし。
正直正式な練習日よりめっちゃ頑張って自主練に励んでいた。
自分の大学よりサークルのある大学の方が通っていた。リアルに。こわっ

もちろん、私のように自主練の鬼になる同期の子もたくさんいた。
自主練組として仲良くなるし情報交換もするんだけど、内心はライバル心がメラメラだった。お互い。
特に、同じジャンルにいる一人の男の子に対してお互いにバチバチしていた。
その子も初心者からのスタートだったのもあるけど、生粋のナルシストかつ理屈っぽくていかにもな男子だった。
一年目のイベントでは大抵その子とセンター争いをしたし、先輩から教わる時も二人でぐいぐい前に出て食い気味で教わっていた。
今から思うとめんどくさい後輩2人だったなぁと思う。先輩ごめんなさい。

そうやって順調にサークルとダンスにのめり込んで3年がたった。
サークルの幹事学年となった私たちの代。
気がつけば、私は普通のひらサークル員。その男の子はサークル幹事長＆ジャンルリーダーとなっていた。
肩書きだけじゃなく、ダンススキルも正直差がついていた。
その当時の私は認められなかったけど、今振り返ると歴然の差だったなぁ。

同じ月日が流れていたのに、同じように練習時間や経験を積んでいたはずなのにどうしてここまで差がついたんだろう。
そう思った時に、大学一年の暮れにその子と雑談していた時の話を思い出した。

「一日一個でも上手くなれば、一年で365個上手くなれるじゃん」

そうなんだよなぁ、ほんとそう。この話を聞いた時も「そりゃそうだ」と思った。
でも、今になってこの考えがすごく響いてくる。

ダンスにおいても何においても、毎日毎日やっているとどうしてもルーティーン化してしまうところって出てきてしまう。
私の自主練が正にそうで、毎日毎日同じ基礎練をやることが多かった。
もちろん、正しい形を身体に覚えさせたり筋肉がついたりで決して間違ってるわけではなかったと思う。
でも、もっと効率よくできたんじゃないかなぁと今になって思うのだ。
よくいうPDCAが全く回っていなかったともいう。

私が特に何も考えず同じ練習をしている間、その男の子はどんどん練習を積み重ねていた。
その積み重ねの3年分の差がその時の実力差だった。

その子の言葉が、今社会人で仕事に揉まれているこの時になって響いている。
仕事なんてもっとルーティーン化しがちで、毎日こなすことに必死になっちゃうけど。
本当は少しでも改善点があったり自分の学びになることがあるはずなんだよなぁ。

小さいことでも、そういう積み重ねられるものを探して仕事したい、そんな風に思った2021春。
行動に移そうと思ってとりあえず、毎日バレットジャーナルを開いて、成長できたことをメモるようにしてみた。

そして今日、何気なく毎日のメモを振り返ってみた。
7割くらいが筋トレ頑張ったメモになってた。違う、そうじゃない。いや、大事だしいいことだけども。

トレーニーとして着実にレベルアップしている一方、私の社会人としてのレベルアップへの道は遠い。つら。