見出し画像

本を売る技術-矢部潤子

Twitterで本の雑誌社さんをフォローしていたので、何度かタイムラインに流れており、気になっていた一冊。

これも欲しければあげるよ、譲り受けた本。

かなりの冊数を頂いたので、しばらくは頂いた本の感想をあげていくと思う。

noteマステ黄色

私は本屋さんが大好きだった。

あの一冊一冊に情報や物語が閉じ込められていて、それがこんなに並んでいるなんて。信じられないくらい魅力的だった。

例えるなら、モンスターズインクのドアのようなものだ。

扉を開けると、そこは誰かの部屋。扉の模様でなんとなくどんな人が住んでいるのかがわかる。

ほとんどが同じ形をしているけれど、みんな違う人生を送っている。

noteマステ黄色

どうして「好きだった」と過去形にしたかというと、めっきり本屋さんに足を運ばなくなったからだ。

本との出会いを楽しまなくなってしまった。

欲しいと思う本があればネットで注文する。パッと見つかるし、送料無料で届けてくれる。徒歩圏内には本屋がないので、交通費がかからなくて済む。

でも、タイトルを知っている本しか読まなくなった。

ネット上で関連書籍などが表示されるが、小さい画面上ではあまり魅力的に見えないことが多いと感じている。

それと、個人的には合計金額が表示されてしまうのがよくないと感じている。

本屋さんでは、合計金額をあまり考えずに欲しい本をとりあえず手に取る。そこから椅子に座ってペラペラとめくり、どれを買うか厳選する。

このときに少しお財布のことも考えるけど、数字で目に見えてはいないのであまり気にならないというか、値段よりも欲しいかどうかに重点を置いて選ぶことができていると思う。

そして嬉々としてレジへ持っていき、合計金額にハッとする…というのが私のいつものパターンだ。しかし、レジまで来たらもう後戻りできない。罪悪感はない。こんなに本にお金を使えるなんて贅沢だ、と思う。

ここまで無茶な買い方をする人はいないと思うけど、左腕に本を抱えて店内を歩いているとき、とても幸せな気持ちになる。

ここまで本屋さんの魅力を感じているのに、どうして行かないんだろう。

noteマステ黄色

そしてこの本を読んでさらに、本屋さんに行きたくなった。

考えてもいなかった細かな気配りで溢れていた。

こういう気配りって、気にならないからこそ良いんだと思う。

「こんなところまで気を配っていますよ」とアピールするものではない。あくまで本が主役だからだ。

本がきちんと主役を張れるように、気づかれない気配りをする。

言うのは簡単だが、なかなか実行できるものではないのだとも思う。

すごいなあ、本当に。

これから本に関わる仕事をしていきたいと思っているのに、本屋さんで働いたことがないのってまずいのではないかと思えてくるくらいだ。

びっくりするくらい本を大切に扱えていなかった。

結構本を乱雑に扱ってしまう人なので、気をつけていこうと思った。

こんなに大切にされて私のところへ来てくれたのに、主人がこんなやつだったら私は本屋に戻りたいと思うだろう。

大学4年の4月だけど、まだ間に合うだろうか。

求人を探してみようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?