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本を読む人だけが手にするもの-藤原和博

 引越しの手伝いに行ったときに「本が多すぎるから、欲しいものがあるのならあげるよ」と言っていただき、数多くの本を譲り受けた。

 早速1冊読み終えたので、読書記録をつけていこうと思う。

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 著者の経験談を交えながら読書のメリットについて語り尽くしている。

 導入は、なぜ読書の必要があるのかという前提条件となる現代の社会構造について解説している。この部分については、別の著作において詳しく書かれているようなのであわせて読んでみたいなと思った。

 私は中学高校と読書好きとして育ったので、本を読むことに抵抗は全くないが、大学に入りめっきり読まなくなってしまったし、読むことがあっても以前は文芸書が多かったが、ビジネス書がメインとなっている。

 私が読書のメリットとして感じていたのは

・物語の擬似体験

・集中力、語彙力の向上

 の2点であったが、この本ではそのほかにもさまざまなメリットが書かれている。その中でも特に印象に残ったのは、第2章の

読書とは、「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること

という部分である。

 このことを全く認識していなかったわけではないが、「知識が増える」という言葉に置き換えていた。

 しかし著者は、読書を通じて他人の脳のかけらの受容体を自分の脳につくり、他人の脳と繋がることができると表現している。

 この受容体をつくることで、受容体に関連するものにも反応することができ、さらに読書の幅が広がり、さらに受容体が増えていく…という循環が生まれていくのではないかと思った。

 今までは、自分の興味のある分野、ファンタジーものや動物もの、美術に関連するもの、自己啓発などの本しか読んでこなかった。

 しかし、今まで自分の興味範囲外のものでもとにかく数をこなすことで、自分がよいと感じる本に出会うことができるとあった。数を読まないと素晴らしい本には出会えないと。

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 また、この本では著者に影響を及ぼした本や、読んでおきたい本など、さまざまなジャンルの本が本文内で紹介、引用されており、ただ読書は良いですよ、と言われるよりも実際に本を手に取るまでのハードルが下がったような気がする。

 事実、本書内で紹介されている本のいくつかをネットで購入した。

 本文内だけでなく、巻末に、

・ビジネスパーソンに読んで欲しい14冊

・学校では教わらない現代史を学ぶ10冊

・小中学生から高校生までの子供を持つ親に読んで欲しい15冊

・子供と一緒に読みたい11冊

 というジャンルで、著者がこれだけは読んで欲しいと思う50冊が簡単な紹介文とともに掲載されている。

 このように、多読家の方のおすすめ本を知る機会を得られたこともこの本を読んで良かったと思えるポイントであった。

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 これから本に関わる道に進みたいと思っている私にとって、読書を改めてスタートさせるきっかけとなった一冊だった。

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