ゲーム業界の研究論文を無料公開します
集英社の新規事業の担当あらため、集英社ゲームズというゲーム会社でゲーム事業を立ち上げる立場になりました。
noteは本当に久々に更新でして、この1年間のドタバタとか色々と書きたいことはたくさんあるのですが、今日はふと「七年前に書いた論文を公開してみよう!」と思って更新を思い立ちました。
論文の背景
あまりおおっぴらにプロフィールには書いてないのですが、実は自分は28歳〜30歳にかけて社会人大学院に行って、経営管理修士の学位を修めてました。いわゆるMBAというやつですね。その際の修士論文です。
論文を書いた2014年〜2015年の当時はまだAppleの日本法人に勤めており、「スマートフォンがあらゆる市場を取り込んでいく」という勢いのど真ん中にいました。論文の冒頭にも記載していますが、パソコン市場がワープロ市場を飲み込んで大きくなったように、スマートフォンはどの市場を飲み込んでいくのかというテーマを課題感として、自分が当時いつか仕事でチャレンジをしたかったゲームの市場を分析したいなと思い、いわゆるPlayStationのような「ゲーム専用端末」に対してスマートフォンを「汎用端末」として位置付けることで両者がどういった構造で成立しているのか、本当に飲み込まれてしまうのか?を、「ビジネスモデル分析」と「プラットフォーム理論」の観点で分析をし、まとめた論文となります。
なんか難しいですよね。簡単にいうと「スマホが普及しまくったら、ゲーム専用機はいつかなくなるんじゃないの?という課題感をゲーム業界の過去の歴史を振り返りつつ、まとめてみました!」という内容です。
なぜ今、公開することにしたのか?
冒頭にも書きましたが、不思議なご縁というか、こんな論文を書くくらいやりたかったゲームの仕事を求め続けた故なのか、集英社の新規事業としてゲーム事業の立ち上げの責任者をやらせていただくことになりました。
その中で、今作っているゲームの会議で、ゲームの発売PFに関して、マルチプラットフォームの話になり、そういえば自分プラットフォームに関する論文書いてたなと思い出し、振り返って読んでみると、よくまとまってるし、結構面白いこと書いてるな自分。となりまして。
今日この時点で既に七年前の論文です。最後に分析結果をまとめた、インプリケーションも今となってはちょっとズレている部分もあります。とはいえ、七年前の時点でこれからのゲームPFは「ユーザのオンラインIDの数が重要になる」といった分析はまさに今の時代のゲーム事情を示していますし、いい分析もできているなと思ってます。
そんなゲーム業界を横断した資料がPCの片隅にデータとして保管されているのは勿体無いかなと。2年かけて一生懸命まとめた論文くんが「誰かに読んでもらう可能性があるのではないか」という、供養してもらいたいエゴが出た次第です。
加えての希望的な観点としては
「ゲーム業界も知らない出版社の人間がいきなりゲーム事業を立ち上げたわけじゃなくて、本当にゲーム業界のことを勉強してきたし、今も真面目に考えているんだよ」ということを知ってもらいたい。というエゴもあります。
あとは、自分は論文を書いている時が結構楽しくて、いつか落ち着いた時にゆっくりと「この論文の続きを書きたいな」とも思ってます。そのような中で「自分の論文のフレームワークが今の時代にも使えるものなのか?」「ゲーム業界の方々に面白いと思ってもらえるものなのか?」というフィードバックをいただけると嬉しいと思っています。
基本的には私自身の「エゴ」を基に発信するものではございます。論文自体は無料公開するものなのでご容赦ください。
お願いしたいこと
130ページあります。結構長いです。流し読みいただけると嬉しいという感じです。でも、お時間ある時に読んでいただけたのであれば、是非ご意見が欲しいです。「面白かった」「思ったよりつまらんかった」「参考になった」「全然まとまってない」なんでも良いです。
この論文は自分なりのゲーム業界の歴史の研究です。研究とは議論の積み重ねによって磨かれていくものだと思っています。
Twitterの引用RTでも、コメントでも、DMでも、自分と直接会った際でもなんでも構いません、忌憚なくご意見いただけるととても嬉しいですし、そんな僕が頑張っている集英社のゲーム事業を応援してもらえるともっと嬉しいです。
ダウンロードはこちら
論文として色々な引用をやってます。ゼミで一部の内容を抜粋して本を出した際に簡易的な査読と学位審査も受けており、著作権的にも問題ないとは思うのですが、問題があるとなった場合即時に公開を取りやめます。
また、本論文の内容および公開は私個人の取り組みですので、集英社ゲームズの会社の意向、方針とは一切関係ありませんので、その点もご理解の上でダウンロードください。
おまけ
「論文が読みづらいよ!」「文字は嫌だよ!」「中身のスライドをもっと大きく見たいよ!」という方向けに、論文内の資料と構成をまとめた、内容をパパッと読み流せる200ページのスライド版もあります。
こちらは資料の細かい部分の構成の恥ずかしさもあり、あんまりドーンとオープンにしたくないこともあり、有料としておいておきます。(noteの有料版の設定するとどうなるのか興味あることもあり、値段は適当です。むしろ、直接面識ある方には無料で送りますので、ご連絡ください)
でも、中身は全て論文の本文に書いてあるので、論文読める方は買わなくて大丈夫です!
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