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1.3.キャリコンは稼げる、しかしキャリコンでは稼げない

キャリコンは稼げます。

という言葉を、短縮せずに正確に言いますと、「キャリコンを前提としたスモールビジネス(CtoB:個人対企業、CtoC:個人対個人)であれば、着実に成功させることができ、稼げます」です。

いきなり独立しろ、会社作れ、会社経営しろ、なんてことではないです。独立のメリットとデメリットについては別の章で述べるとしても、そこは念を押したいし、キャリコンを前提としない小売業や飲食店とかもお勧めしません。固定費かかるし。あくまでも対人支援業としての、キャリコンを前提としたスモールビジネスであれば、です。

キャリコンを必要としている市場はたくさんある

稼げるというのは、市場があり、顧客がいることが前提です。

キャリコンを必要とする市場は、新型コロナウイルス感染症の流行により一時停滞していますが、人手不足、労働力不足は不可避かつ不可逆なので、社員の採用や教育分野は今後も伸び続けるでしょう。テレワーク導入で労務管理系はこれまでと違った展開となるでしょうし、家庭のあり方も変わるでしょう。休校となっている学生のケアも必要ですし、就職戦線も異常ありでしょう。

これは強制的に全国民に転機が訪れた、と位置付ければあら不思議、日本全国老若男女誰もが私たちの顧客???と考えることもできます。範囲が広すぎるぞキャリコンの領域。顧客がたくさんいるぞ、キャリコンのクライエントが。

市場はあるんですよ、確実に。そういった市場に対して、キャリコンを前提としたスモールビジネスを仕掛ける。これが成功への戦略です。

キャリコンのスキルは素晴らしい

キャリコンを前提としたスモールビジネス、というのを言い替えると、キャリコンの資格取得で学んだ、磨き続けた技術を活かしたスモールビジネスをしよう、ということです。キャリコンが身に着けているに違いない技術には、ざっと並べても、

・人の話をちゃんと聞ける、傾聴ができる

・クライエントに起こった出来事を共感的理解できる、受容できる

・クライエントの過去と今ここから、自己理解・仕事理解を促せる

・将来に対してクライエントに啓発的経験を促し、目標設定できる

・目標を叶えるための方策を考えられ、実行できる

・適応したかどうか、判断できる

・何よりキャリコン自身が心身共に安定していて、自己一致できている

キャリア形成

何と素晴らしいキャリコンのスキル!

世の中のコンサルタントと言われる対人支援業で、これらができている人って全然いないんですよ。本当にいないんですよ。人の話をちゃんと聞ける、という最初の傾聴の部分で大半のコンサルタントが脱落します。最後の心身共に安定なんて、いないいない。相手も自分も受容できないコンサルタント多すぎ問題。

これらを活かしたスモールビジネスを考えて設計したら、成功すると思えませんか?

クライエントの抱える悩みを解決し、価値を提供して対価を受け取る。これなら初期投資はいらないし、キャリコンのスキルを存分に活かせます。

あくまでスキルは手段である

ここからは、大半のキャリコンの皆様は、モノの見方をガラッと変える、リフレーミングする必要があります。

結論から書きましょう。キャリコンは稼げる。しかしキャリコンでは稼げない。この真意を補足文ありで書きます。

キャリコン(が持つスキルを活かせるよう設計した対人支援スモールビジネス)は稼げる、しかしキャリ(ア)コン(サルティング)では稼げない。

私たちキャリコンは、ほとんどの方が大きな勘違いをしています。視野が狭くなっている、柔軟性が欠けていると言ってもいいですね。

キャリコンとは?と聞かれたら、ほとんどの人はこう答えるでしょう。「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍しています。

そして「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。

だって、そう厚労省が定義していますからね。養成講座でも習ったことでしょう。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html

なんかキャリアコンサルティングの定義って、スゴく範囲が狭いことにお気づきでしょうか?職業に特化し過ぎているんですよ。

しかし、キャリアって言葉が意味するものは、職業経験や設計、その能力だけではないはずです。これも皆様は学んでいるはずです。キャリコンが専門領域として扱う「キャリア」とは?

「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html

厚労省はこのように職業や職務で定義していますが、キャリアの元々の意味はギリシャ語の「わだち」って意味ですよね。過去から現在、そして将来の長期にわたって、私たちを馬車に例えると、進む道の後にできるもの。

となると、本来のキャリアの意味は、職業よりもっと広い、私たちが生きてきた人生そのものなんですよ。

人生そのものにおいて、何に悩んでいる人をターゲットにスモールビジネスを設計するか。それが最も重要です。キャリアコンサルティングは、手段でしかないです。私たちがビジネスとして提供する、商品の1つに過ぎません。

キャリコン自体が商品、ではないのです。

目的と手段を間違えない

では、キャリコンの目的は何でしょう?ちょっと考えてみて下さい。思いつきましたか?

日本マンパワーさんは、こう言ってます。「その人らしい生き方・はたらき方を支援し、みんなでイキイキと社会を支える」

LEC東京リーガルマインドさんは、こう言ってます。「超長寿社会、多様化社会において「自分らしく生きる」を支援する」

どこにもキャリアコンサルティングって言葉が出てないことが分かりますね。私たちリベラルコンサルティング協議会でも、コンサルタントの目的に「AI時代に対応するキャリア支援ができ、その結果社会インフラとして必要とされること」を掲げています。

つまり、キャリコンの大部分の方が思っている「キャリコンはキャリアコンサルティングをしなければならない」は、キャリコンという資格の一般化なんですよ。

ビジネスには目的があります。その目的を達成するための手段として、あるいは商品の1つとして、キャリアコンサルティングはとても有効です。しかし、キャリアコンサルティングをするのが私たちの目的ではないし、それを目的としてしまうとビジネスの幅が極小となる、そして稼げないのは明白なんです。

あくまでも、キャリアコンサルティングというものは、ビジネスをやっていくのなら、目的を達成するための手段にしましょう。たくさんある商品の1つにしましょう。何か他のアイディアと組み合わせて、ターゲットとなるクライエントを明確にして商品を作り出しましょう。

それができないからこそ、思いつかないからこそ、キャリコンでは稼げないの理由なのですから。

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