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2.1.ひたすらキャリコンのワナ

さてさて。

第1章でキャリコンは稼げる!と言い切りました。それはあくまでもビジネスとして構築したら、という注釈付きではありましたが、本当です。

本気でビジネス構築すれば、キャリコンは稼げます。

なので、ビジネスとしてどうキャリコンのスキルを組み込むのか、キャリコンを活かせるビジネスとは何なのか?まずそれを考えるのが、独立キャリアコンサルタントで年収1,000万稼ぐために最も優先されることです。それが上手くハマれば、ビジネスとして構築できれば6ヶ月で月商100万円もイケる、場合もあります。

いやいや、そんなビジネスなんて考えなくても、【ひたすらキャリコン】していれば、困ってる人にキャリアコンサルティングをして悩みを解決していけば、いずれ稼げるようになるのでは?

そう思う人も中にはいると思います。いると思いますが、断言します。それはあり得ません。

だって商売ですから。

果てしない旅路

【ひたすらキャリコン】の例としては、これまた第1章で説明したキャリコン業界のループですね。

国家資格キャリアコンサルタントから始まり、2級技能士、そして1級技能士へとレベルアップを図る。2020年度の試験体系の改定で、1級のさらに上の技能検定を作るとの話が厚生労働省から出ていますから、1級技能士を取ってもまだまだキャリコンの世界に終わりはない、なんて。

これ、いつまで続けますかね?

キャリコンの質の担保、という大義名分は分かりますが、所詮資格ビジネスってこんなもの、とも思ってしまいますよねぇ。そのうち将棋の段位認定みたいになったりして。

1級技能士のスーパーバイザーがそれぞれ名人や棋聖、竜王とか呼ばれることとなる?そして四天王なんて呼ばれたり、さらには7武海なんて名乗ってみたり。いやはや妄想が捗りますね。さしづめ私は名も無い海軍一兵卒、1コマでやられたりして。

ええと、ビジネス上は国家資格があれば十分です。

そして、2級取ろうが1級取ろうが、その上に到達しようが、こと稼ぐって観点では何の関連性もありません。どんな資格や技能、はたまた段位を持っていようが、稼ぐ力とは全く別ものです。

2級技能士は養成講座のメイン講師ができる、1級技能士はスーパーバイザーができる、それがどうした。私はストレートに聞きたい。

それってどれくらい稼げるの?

資格のランクは稼ぎのランクではない

1級技能士だからって稼げているわけではないですし、国家資格だから稼げないってことでもないです。資格はあくまで資格、稼ぐ力とは関連性がありません。

難易度が高い資格を取れば稼げるはず、希少価値のある資格であれば成功するはず。であれば弁護士は全員億万長者のはずですが、今やアルバイトしないと生活できない弁護士も出るくらいですしね。

1級技能士であればキャリコンの単価を高く設定できるのでは?という疑問もあるかもですが、厚生労働省のセルフキャリアドック助成金があった頃でもキャリコンの単価は時給1万円前後でした。私が知っている人は1万5,000円、風の噂では2万円取っていた剛の者もいたようですが、中にはキャリコンは困っている人を助けるものだから3,000円で十分、何ならタダでも実戦が積めればいい、みたいな時代もありました。

そして今、キャリコンの求人票を眺めていると、キャリアコンサルティング1時間の単価はだいたい3,000~5,000円です。

それは国家資格の人の単価では?と思われるかもしれませんが、2級技能士や1級技能士でも同じです。だって皆さん、国家資格キャリアコンサルタントって名乗っていますからね。

業界内では2級技能士や1級技能士の方は評価されていますし、私も大変尊敬していますが、こと業界外でのビジネスでは、国家資格だろうが2級だろうが1級だろうが、等しくキャリアコンサルタントだとしか認識されません。

事実、2級技能士も1級技能士も、名刺にはほぼ国家資格キャリアコンサルタントと書いています。業界外へのネームバリューがないので、業界外でビジネスを行うには国家資格を名乗るわけです。その方が国家資格っていうブランドがあるから。

技能士って技能検定ゆえに、残念ながら業界外にその価値が通じません。ブランド力がありません。なので結論、キャリコン業界内の資格のランクは、稼ぐ力と関係ありません。業界内でのビジネス構築の手助けをしてくれるだけです。そこに価値は確かにあるのですが、それはまた後ほど。

社会正義のキャリアコンサルティング

最近こんな言葉が業界内で聞こえていますね。

キャリコンの定義は厚生労働省に、過去の歴史は木村周先生の著書などに任せますが、従来の市場原理に基づく定着率の改善や生産性の向上に資するキャリコン、いわば企業の利益追求のための側面が強い企業内外キャリアコンサルティングではなく、市場原理という名の競争社会から落ちこぼれた人、ドロップアウトした人、適合できなかった人に対する社会福祉的なキャリアコンサルティングのことを言うようです。

今までのキャリアコンサルティングは、無意識に企業と同化した競争と適合をクライエントに駆り立てていたのではないか?という立場からのもので、この見方や意見には基本的に賛成ですし、これからのキャリコンの方向性は間違いなくそちらだと思います。

しかし、そういった社会問題に正面から対峙して、その問題解決に寄与し成果を上げていけば、その結果社会から認められれば、自ずと収入も付いてくるかといいますと、それはちょっと違いますよね。【ひたすらキャリコン】では収入に至るまでとても時間がかかります。あくまでも、それをビジネスとしてやる。その決断と計画が最初にないと、社会正義という名のボランティアになってしまいます。

社会正義のキャリアコンサルティングも、ビジネスとして成立させないといけません。ビジネスとして計画を考え、そういった社会問題に正面から対峙して、その問題解決に寄与し成果を上げていけば、社会に認められますし、収入も上がっていきます。何も考えず闇雲に【ひたすらキャリコン】はやめましょう。

キャリコンを活かしたビジネスとは

今はリスクを最大限抑えて起業や副業ができる時代です。この時代の恩恵を最大限被るためには、キャリコンを前提としたスモールビジネス(CtoB:個人対起業、CtoC:個人対個人)といった業態を選んで下さい。

それ以外の、やれ飲食店経営だ、小売店経営だのはやめてくださいね。人を雇ってオフィスを構える、設備投資する、在庫を抱える。これすべてリスクです。これらを抱えなくてもいい業態がオススメであり、それがキャリコンを前提としたスモールビジネスなんですね。

具体的にいうと、広い意味でのコンサルタント業です。クライエントという名の顧客が持つ悩みを解決し、その対価としてお金を稼ぐビジネスモデルです。これなら人を雇うこともなく、オフィスも静かな喫茶店でよく、在庫なんてあり得ないです。初期投資がほぼ0なうえに、今までのサラリーマン生活の知識と経験が活かせる。

あれ?それってキャリコンでは?と思った方、正解です。

キャリコンが持つスキルを活かせるように設計した対人支援スモールビジネス、つまりコンサル業が稼げるのです。決してキャリアコンサルティング業ではないですよ!

ただ、何度も出ていますが、コンサルとかキャリコンとかは、あくまで1つの商品に過ぎません。ビジネスの目的に沿って何か他のアイディアと組み合わせ、ターゲットを明確化することで、私たちの商品というモノが形作られていきます。「誰の悩みでも解決できます、どんな悩みでも解決できます、だってキャリコンだもの。みつお」と言っているうちは、残念ながら稼げないです。

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