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3.3.3つの天職の輪~できること~

「できること」。

「あなたは何ができるのですか?」と、ビジネスを行おうとすれば必ず見込客から聞かれます。火の玉ストレートですね。この質問の返答に窮してしまっては、間違いなく契約に至りません。

そこで商品の素晴らしさを説明しても、実績を誇っても、「へー、スゴいんですね。で、あなたは私にどんな価値を提供してくれるのですか?」と再度ツッコまれるのがオチです。ここで「キャリアコンサルティングができまぁす!」とか言ってしまったら、確実にツッコまれますよね。

「それを受けることが、私にどんな得があるのですか?」と。

つまるところ、「できること」=商品の種、なんですね。キャリアコンサルティングは商品とは言えません。誰に、何を、どのように提供し、その価値は何か?まで設計して初めて商品と言えるからです。

その設計は後述するとして、では、私たちが「できること」って何でしょうか?

天職の輪⑤

あなたが身につけたスキルとは?

「できること」を細分化すると、まず最初はスキルからです。

すぐ隣がノウハウなので、それって同じような意味では?と思われるかも知れません。一般的には、スキルは「訓練や経験を通じて得た技術・技能」、ノウハウは「方法言葉では表しにくい、仕事に必要な具体的知識・技術」と定義されていますね。

別の言い方をすると、具体的な方法がノウハウで、ノウハウを使いこなすのがスキルだ、とも定義できると思います。そこで私はこう定義しました。あくまでも私の解釈ですので、あなたにとって間違えていて・異なっていたのなら、森田の定義だと受容して頂ければ幸いです。

私の定義では、スキルは「ノウハウを実行できる、名前が付いた能力」、ノウハウは「あなたが人生の経験の中で身につけた、名前を付けられる能力」です。

ですので、ここではあなたが持っている資格名を、国家資格や民間資格問わずノートに書き出してみましょう。さらに、資格名ではなくても一般的に名前が付いているものもノートに書いていきましょう。

お気付きですか?あなたが持っているスキルの見える化が、なぜあなたがそのビジネスをできるのか、その根拠の1つとなり得るのです。

私のスキルを例にすると、資格として中小企業診断士と国家資格キャリアコンサルタント、日商簿記2級、IT系の資格だと情報セキュリティスペシャリスト(今はない)、応用情報技術者、Oracle gold、CCNA、ITILといった民間資格を持っています。

さらに、一般的に名前が付いているものとして、採用支援、離職率改善、エンジニアへの技術研修やキャリア研修、コミュニケーションやプレゼンテーション、セールスやチームビルディング、はたまた財務会計、補助金申請、融資支援、経営計画策定、売上UPなどなど。誰も分からないスキルでも良いので、こんな感じでいっぱい出していきましょう。

あなたが身につけたノウハウとは?

「できること」を細分化すると、次にノウハウです。

すぐ隣が強みなので、それって同じような意味では?と思われるかも知れません。私の定義では、ノウハウは「あなたが人生の経験の中で身につけた、名前を付けられる能力」で、強みは「あなたが先天的に持っている、あるいは後天的に気がついたパーソナリティ」、つまり特徴や個性、性格といったものです。ノウハウとは違いますよね。

ここで考えて欲しいのが、あなたが持っているノウハウに名前を付ける、言語化することです。あなたの得意なことでもいいです。自覚していることだけでなく、誰かに褒められた、役に立った、たくさんの時間とお金をつぎ込んで身につけた経験もノウハウですので、ここではあなたが持っているノウハウに簡単な名前を付けて、ノートに書いていきましょう。別にワンフレーズで言えとか、キャッチフレーズにしろ、ではないです。

お気付きですか?このノウハウの言語化は、あなたを一言で表す、あなたが顧客の悩みを解決できる人だと言い表す肩書きやキャッチコピーとなり得るのです。

私のノウハウを例にすると、IT企業の離職率改善ができます、採用支援ができます、研修や教育にキャリアコンサルティングもできます、を名前を付けた結果、「IT業界専門 離職率改善プロデューサー」というキャッチコピーができました。うぅ、今名乗るとめっさ恥ずかしい(照)。当時はいい肩書きだなと思っていましたが、なんだよプロデューサーって(笑)。

今は顧客への提供価値としてのノウハウを言語化して、「社員が辞めない仕組み作り」を提供できます、としています。うん、シンプルで分かりやすい。その他にも補助金の申請のコツが分かります、キャリコンビジネス構築ができます、セミナーの構成を教えられます、キャリコンの方々に合った営業のやり方を教えられます、などなど。ビジネスに使えるかの判断はしないで、こんな感じでいっぱい出していきましょう。

あなたの持っている強みとは?

「できること」を細分化すると、最後に強みです。

あなた独自の強みを見つけましょうと、キャリコン×◯◯×◯◯を考えてみようがこの章の主旨でしたね。◯◯に入るのは、大部分がスキルやノウハウです。キャリコン×診断士×ビジネス構築=キャリコンビジネス診断士、なんてキャッチコピーを考えていますが、これってスキルとノウハウを組み合わせたものですよね。

しかし、強みを入れてもいいのです。私の定義では、強みは「あなたが先天的に持っている、あるいは後天的に気がついたパーソナリティ」なので、ここで考えて欲しいのが、あなたの性格的な、個性とも言える性格をノートに書いていきましょう。

お気付きですか?強みは誰にでもあることですが、本人はそのことに気付きにくいのです。言語化に最も苦労するのが、この強みなのです。

ですので、ここでは弱みにフォーカスしましょう。私たちは不思議なもので、強みをアピールしろと言われたらフリーズしますが、弱みを吐けと言われたらいくらでも喋れてしまうのです。そんな弱みをリフレーミング(物事を見る枠組み(フレーム)を変えて、別の枠組みで見直すこと)すると、あら簡単。それがあなたの強みとなり得るのです。

私の強みを弱みとして例にすると、転職10回を誇る、自他共に認めるこらえ性のなさがあります。皆さんの周りに正社員として転職回数2桁の人って、そうそういないと思いますしね。

昔は恥だと思って、まったく公開していませんでした転職回数。実は履歴書にも、3ヶ月以内で辞めた会社は省略してなかったことにしていたくらいですし。それがあら不思議、リフレーミングするとこらえ性のなさ=あきらめがいい、判断が速い、決断力、みたいな強みに変換できました。

そして、転職10回している経験があるのだから、何が退職のトリガーになるのか分かりますので、社員の離職率を改善できますよ、という対企業コンサルティングができる根拠となりました。今は大声でアピールしていますよ転職10回、そして決断力を!

その他にも、後先を考えない=ポジティブ思考、やる気が継続しない=柔軟性がある、くよくよする=反省力が高い、などなど。自己弁護になっても良いので、こんな感じでいっぱい出してきましょう。

「できること」に向かい合わないと

当然ながら、ビジネスができません。やりたくて稼げることを思いついても、できなければストレスが溜まるばかりです。仕事に対するモチベーションが保てないのです。

かといって、できることばかりやっていては仕事やビジネスの範囲が広がらないばかりか、俺ってすげー!という重要感ばかり満たしてしまいます。背伸びすればできるかもしれない領域までは「できること」に入れて貰えればと思います。

過去の人生を振り返ってどんな実績があるのか、どんな成長をしてきたのか、どんな学生生活を、サラリーマン生活を、家庭での生活をしてきたか振り返りましょう。「人生の棚卸し」、これこそがキャリアコンサルティングでの自己理解ですよね。やってみると意外と忘れていた経験や、喜びを感じた瞬間に改めて気付くかもしれません。それらがあなたの、ビジネスに利用できるリソースなのです。

できれば、「人生の棚卸し」や自己理解は、1人でウンウン唸って机にかじりつくのではなく、あなたをよく知っている人を捕まえて、書き殴ったことを話してみましょう。他の人に説明してみると、自分では気付かなかった強みや実績を教えて貰えるかも知れませんので、これはもうキャリアコンサルタントに相談ですね。

価値の提供根拠としての考え方を実践していきましょう。あなたの知識や経験には価値があります。だから自分自身の分析と理解を行って、キャリアコンサルティングをベースとしたスモールビジネスで何ができるか、考えてみましょう。

そんなあなたの、これだけは人生の中でやっておきたいと想える好奇心を、次回分析していきます。

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