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資格を取ったら稼げる!

いまだそう思っている人は考え方を変えて下さい。それ自体がもはや認知の歪みです。

逆に、資格を取らないと稼げない!

それは全か無か思考です。業務独占資格であれば資格取らないと仕事できないから正しいのですが、名称独占資格はそうではないです。資格がなきゃないでやりようがあるので。

キャリコンじゃなくてもキャリアコンサルティングみたいなことはできます。キャリアカウンセラーとか、キャリアコーチとか、キャリアティーチャーとか名乗ればいいだけです。キャリコン資格持っている=信用や実力の担保になる、その程度です。

資格と稼げるを紐付けて考えること自体、間違っているんですよ。特に名称独占資格は。

資格を取ったら稼げる!の時代はあった

とはいえ、一昔前は資格を取ったら稼げた時代もありました。例を挙げるなら、税理士資格でしょうか。

税に関する申告の代行は税理士の独占業務ですから、税理士資格持ってないと社外の人間が税務署へ申請できないですよね。決算や確定申告はだいたい税理士に依頼すると思います。

それだけだと税理士も年1回で企業の業績が把握しにくいから、顧問契約で毎月試算表作ります、資金繰り見ます、という契約が多いです。うん、定期的な収入を確保できて良い感じ、稼げそうですね。

日本の企業数は個人事業主も合わせると約358万社あります(中小企業庁の発表より、2016年)。税理士の現在の資格保持者はだいたい8万人(日本税理士会連合会より)ですから、超単純計算だと税理士一人あたり40社以上顧客になり得ます。それは単純過ぎるので、その半分の20社を顧問にできると想定しますと、1社の顧問料を月5万円に設定したら、それだけで月100万の売上です。

もちろん顧客開拓や営業のスキルなども関係しますが、2世税理士が結構多いことを考えると、地盤を引き継いだり確保できれば、ちゃんと稼げる資格だった、です。過去形です。

資格を取っても稼げない時代背景

ところが今は、企業規模にもよりますが顧問料が月5万、3万、1万・・・と相場が下がってきて、ググると月5,000円なんて税理士も存在します。これじゃ稼げないですよね。

一体何社、顧問契約取ればいいんだろ月5,000円の税理士たち。決算業務は別料金、会社の規模によって顧問料を変えるといった対策をしているでしょうが、それでも心配になります。中小企業診断士として経営診断したくなります。

税理士の場合、一般化すると稼げなくなった背景は2点に集約できます。1.資格保持者が増えすぎた。2.なのに企業数は減っている。

1.については税理士を廃業するより資格取得者が上回っているので、どんどん増え続けています。だから競合だらけ、コンビニや歯医者より多い税理士。

そのせいもあって税理士試験の受験者数が激減しています。20年前と比較すると40%減と恐ろしい数字です。それだけ割に合わない資格と思われているのでしょう、そんなことないのに。税理士の先生方の知識にはいつも助けられていますので、やり方次第で母数がどれだけ増えても選ばれる税理士になることはできるのに。森田に相談しに来いや!と言ってみたい~♪

2.については日本の産業構造の問題もありますが、新規起業者は減り続けています。そして後継者がいない中小企業は、事業承継ができずに廃業を余儀なくされる大廃業時代がやってきています。

中小企業の社長の平均年齢は59.9歳(帝国データバング調べ)、65歳以上の経営者においては48.7%が後継者不在です(平成30年中小企業白書より)。これは厳しいですよね。

この1と2は、弁護士も同じです。社会保険労務士もです。一部の例外を除いて、資格を取っただけでは稼げないというのが時代背景なんですね。事実、これらの士業の平均年収は近年、下落傾向です。

もちろん、キャリコンも例外ではないです。仕事を取りにいく必要があるのです。

何の資格が稼げる?ではない

これを読んでいる皆様の大半はキャリコン、あるいはキャリコンに興味を持っている人なので、他の独立起業で稼げる資格はこれだ!という話はしなくてもいいと思いますが、簡単に2点だけ。

1.資格保持者が少ない。2.その資格じゃなきゃできない仕事の需要がある。

この要素を満たしている資格なら、取得すれば稼げると言えるでしょう。

私見ですが、士業なら不動産鑑定士が当てはまると思います。ちなみに中小企業診断士はというと、資格保持者は多くないです。また仕事の需要もたくさんあります。が、名称独占資格なので診断士じゃなきゃできない業務は事実上ほぼないし、他の資格保持者で代替できます。資格保持者じゃなくてもできますし。

だから不動産鑑定士を取りなさい、という結論ではないですよ。だって皆様キャリコン持ってるんだから。

それだけで資格は十分なんですよ、本当のところ。

キャリコン資格で稼げる

ではキャリコンは?というと、ご存知の通りキャリコン10万人計画というものがあり、2024年度には10万人に増える予定ですね。この計画は今までの資格受験者数の推移を見る限り達成できないと見込まれますが、それでも現在のキャリコン有資格者は国家資格、2級、1級合わせると5万人超えています。多いですね。

一方で、仕事の需要はあります。新型コロナウイルス感染症の流行により一時停滞していますが、人手不足、労働力不足は不可避かつ不可逆です。テレワーク導入でむしろ労務管理系はこれまでと違った展開となるでしょうし、これから伸びる余地は十分にあると考えていますので、キャリコンの方、安心して下さい。

企業領域でも、研修でも、キャリアコンサルティングでも、キャリコンの需要はありまぁす!

ただ、目の前に仕事があっても、悩んでいる人がいても、選ばれるか、受注できるかはあなた次第。そこに資格の有無は関係ない、ということに、ここまで読めば気付いてくれたと思います。

つまるところ、どんなに需要があっても、見込客がいても、受注しないと稼げないのです。資格を持っているだけでは仕事を受注できません。口を開けて待っていても、餌が勝手に飛び込んでくることはない、そういった仕組みを作らない限りは。

結論として、キャリコンは稼げます。キャリコン資格だけで稼げます。

しかし、そのためには資格だけではない、ビジネスとして組み立てることが何よりも重要なんです。誰かの理論を極めるよりも、ロープレ重ねるよりも、最重要課題はビジネスとして組み立てること!ですよ。

このビジネスとして組み立てるためには、実はキャリコンの資格がとても役に立つのです、はい。

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