③「ナースコールは気を遣う」の意味を実感

【入院初夜】

夜になっていたけど医師が部屋に説明をしにきました。

はじめ 周期性四肢麻痺  という病名がついていました。

検査にしても薬を出すにも疑いでレベルでもいいので診断名をつける必要があるのです。

なので周期性四肢麻痺という病名がついたようです。

大量のアルコールや過度な運動後に起きる事が多い病気で四肢(両腕脚)の麻痺により動きにくくなるという病気。

(必ずしもアルコールや運動後というわけではありません)

身体は電解質というイオンのバランスが崩れると筋力低下などをきたします。そういう類だと予想されました。

ちなみに、私はお酒は好きですがが数日間アルコール摂取はしておりませんでした笑

入院が決まり、点滴も始まって私の安静度は車椅子。

歩くのは禁止なうえに1人で車椅子に移るのもだめで看護師やリハスタッフの介助または見守りの下でしか行えません。

もちろん、転倒予防という安全面から仕方がないこと。

しかし「トイレ行くときは呼んで下さね」

患者さんにかけていた言葉をこんなにも早く自分が言われる日が来るなんて思いもしなかったです。

まじかーー!!トイレ呼ぶの??

これが素直な感想でした。

しかし、勝手にいって転ぶわけにはいかないのでナースコールを押すしかありません。

点滴中は身体の水分量が増えるからトイレの回数も増えるのです。

呼ぶのドキドキ。

ナースコール押すのもちょっと勇気がいることです。

患者さんから「忙しいだろうから悪いと思って」とナースコール押さずに動いてしまうということを聞いていました。

自分がその立場になると、気をつかうという気持ちがとても分かりました。

夜勤は看護師3人しかいないの知っています。

夜ご飯の時間は食事介助で忙しいかな?

薬飲ませる人もいて忙しいかな?

あーどっかでナースコールなってるから今はやめておこう。

そうやって「トイレ行きたい」と思ってからどんどん時間がすぎてしまうのです。

我慢しても、いつかは行かなければなりません。

勇気を出して押しました。

同期入職の看護師さんがきた・・・よりによってだ。

さすがに排泄中は外に出てくれるし、そこまでは介助は不要。

車椅子を便座の前につけて、トイレのドアを閉めようとすると、ドアが折り畳み式だから車椅子に当たってしまい自分で閉められないのです。

自分は便座の前に立っているのに、ドアまで手を伸ばすのも大変だし、車椅子とドアがぶつかってしまいます。

ドアを開けるのも同様、手すりを持ちながら立って、手を伸ばしてドアを開けるのはとても大変でした。

手を前方に伸ばすというのは、健常人にとっては何てことないです。

車椅子がなければ、数歩移動してドアの目の前に行けば開けられるし、閉めるのも簡単です。

バランスが悪く立位姿勢が不安定なうえに、自分とドアの間の車椅子が邪魔で仕方ないのです。

そんな事なんて深く考えずに、患者さんが立位姿勢や移乗(ベッドと車椅子、車椅子と便座の移動)が安定していたら車椅子でのトイレまでの移動を自立としていました。

トイレのドアを開けられるかはみていたが、便座の前の良い位置に車椅子をつけて、立って、ドアを閉める。

車椅子がドアに当たって閉まらなければ、車椅子をちょっと動かす。

これができるか、大して評価をせずに「自立」としていた事に深く反省しました。

理学療法士や作業療法士の方はぜひそこを考えて自立にすることを強くおすすめします。

この日の夜はあんあまり寝られませんでした。

点滴交換のために看護師さんが夜中に入ってきたが、「起こしちゃった?」と気にしてしまうかもしれないと思い寝ているふりをしました。

変な気を遣ってしまいました。

この日の夜勤の看護師さんは、理学療法士の先輩の奥さんでとても良くしてくれていた人だったから安心でした。

【続々と来る上司、先輩、同僚】

朝になり上司が部屋に来てくれました。

うちの病院の売店では、その場で焼いているパンを売っていて結構おいしかったのですがそのパンを持ってきてくれて嬉しかったです。

その時私は浮遊感がかなりひどかったです。

地震が起きてるんじゃないかと勘違いするほどでした。

「地震じゃないですよね?」と聞いてしまうほどひどくずっと揺れている感覚がありました。

また別の上司が来てテレビカードをくれました。

入院した事ない人は知らないかもしれないですが、病院でテレビを見るにはテレビカードというものが必要な病院が多いです。

若い人は分からないかもしれないが、テレフォンカードみたいなの。

1,000円のカードで度数が決まっていて、テレビ1分弱で1度数減ります。

冷蔵庫1日使用すると結構減ります。

プリペイドカードみたいなのと思ってもらえればいいです。

他にもお菓子や雑誌や飲み物など、入院中に飲食物やテレビカードを自腹で買う必要がほとんどないくらいに私の部屋には大量の物資が届きました。

本当にありがたかったです。

【自分で車椅子に移れるようになる】

発症して数時間で不安定ながらも手すりを持てば立てるようになり、翌日には介助は不要になりました。

1年目とはいえ理学療法士、どのように身体を動かすのが効率がいいか、動きやすいかに関しては専門家なので動作獲得が早かったのです。

例えば椅子から立ち上がる時は自然に体を前傾する。

逆に体を少し後ろに反らせて立とうとすると相当な筋力があってもかない難しいです。

同じ筋力で同じ動きをしようとしても関節の位置や姿勢で、動きやすさはかなり変わります。

それを知っていただけでかなり助けとなりました。

車椅子ですが、すぐにトイレは1人で行っていいことになりました。

やはりトイレには1人で行きたいですね。

トイレに行くたびに呼ぶのはかなりのストレスです。

トイレは許可が出ましたが、

点滴を点滴棒から車椅子の点滴棒に移して車椅子でトイレに行って、手すりを持って便座の前に立ち上がり、車椅子をずらしてドアを閉める。

結構大変でした。

これを見ている理学療法士や作業療法士は一度、車椅子でトイレに行ってみてほしいです。

ドアの形態にもよるけど、ドア閉めるの結構難しいことがわかります。

可能なら歩行器でトイレ行く方が簡単な場合も結構あります。

トイレの動作訓練は、作業療法士の方が専門ですが理学療法士も考えなければいけません。

この経験から私はトイレへの移動手段やトイレ動作について以前より考えるようになりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?