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廃漁網素材から製造した鞄の発表会レポート②

こんにちは!広報担当のケイです。

先日に続き、7月に東京で開催された「廃漁網素材から製造した鞄の発表会 ~海洋ごみ問題への解決糸口~」をレポートしたいと思います。
レポート①はコチラ

今回は先日の記事でもご紹介した兵庫県豊岡市の地場産業であり、歴史あるかばんブランドとして高い評価を得る“豊岡鞄(とよおかかばん)”についてお伝えします。豊岡鞄のみなさんの“モノづくり”に対する熱い思いに触れる度、その思いに共感するとともに、いつも大きな刺激をいただきます。

兵庫県鞄工業組合理事長の由利昇三郎さんは廃漁網再生素材からかばんを作ることになったきっかけから、お話になりました。

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兵庫県豊岡市は地場産業がかばんです。そして、市が長年取り組んでいることの一つに、コウノトリを自由に空に飛ばすというプロジェクトがあります。それを実現した環境にやさしいまちでもあります。日本海の豊富な魚、冬にはカニが有名で、城崎をはじめとする観光業も盛んです。
私たち鞄工業組合でも、企業として、縫製業者としてどのようにSDGsに取り組んでいこうかと模索してきました。そして、まずできることからやろう!と始めたのが、かばんの製造工程ででる端材を再利用して小さな革小物にした“豊岡小物”ブランドです。

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一昨年、Alliance for the Blueのみなさまと知り合い、“廃漁網から生地に再生してかばんにする”というプロジェクトがスタートしました。はじめは、そんなことができるんかな?と思いましたが、可能性があるなら一緒に取り組んでみよう!と、本日まで取り組んできました。

廃漁網とかばん。確かに「本当にできるのかな?」と疑ってしまうほど、意外な組み合わせですよね。それでも、「やってみよう!」と思い切られた由利さんはじめ、鞄工業組合のみなさんあってこそのこのプロジェクトです。今回、モリトが提供する廃漁網を再生した繊維でつくった生地。鞄工業組合のみなさんと何度も調整を重ね、完成したものです。

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由利さんは続けました。

今回、水色と濃い紺の2色を選んだのは、美しい海をイメージし、海のごみを無くしたいという思いからです。SDGsはヨーロッパでは非常に進んでおり、むしろ当たり前になりつつあるといいます。一方で、日本の企業はまだスタート地点に立ったばかりではないでしょうか。私たちもこの廃漁網の取り組みを通して、ただ単にものを作って売るのではなく、持続可能な社会の実現に向け、企業としてやるべき責任があるんだと自覚が生まれました。

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豊岡鞄のルーツはなんと奈良時代!日本古来の柳細工を起源とする1000年の歴史を持ち、その伝統を今日まで継承し続けています。現在は18社の企業が集まり、高い品質で個性豊かなかばんを製造しています。

豊岡では、ファッション用途のかばんに加え、古くから学生かばんも多く作ってきました。由利さんの思いは、未来を担う子どもたちへ。

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今後は廃漁網再生生地でスクールバッグを作り、かばんを持った生徒さんがSDGsという言葉を身近に感じ、子どもの頃からモノを大事にすることを自然と学んでくれたら。昨今の使い捨て社会から、我々が時間と思いを込めて作ったかばんを丁寧に大切に使っていただけるような持続可能な社会の実現に向けて、企業としての責任を果たしていきたいと思います。

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豊岡鞄に込められた思い、脈々と受け継がれる歴史、モノづくりに対する徹底したこだわり…これらに触れる度、モノづくりに欠かせない様々なパーツを提供させていただいている私たちの役割や責任を再認識し、身が引き締まる思いです。

モノをつくる人たちを力強く支える存在でありたい。

それがサステナブルな商品であっても、既存の商品であっても、根底の思いは同じです。だからこそ、モリトはこれからも、高品質かつ作り手の目線に寄り添ったパーツをみなさんへお届けしていきます。

※このレポートは、実際に発表会に立ち合わせていただいた私、ケイがなるほど!と思ったことや感銘を受けたことを、あくまで私の視点からお伝えしているものです。登壇者の発言は一部要約していますのでご了承ください。