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廃漁網素材から製造した鞄の発表会レポート①

こんにちは!広報担当のケイです。

先日の記事「サステナブルとアパレル資材」でお伝えした、私たちモリトグループの環境へのコミット「C.O.R.E.」※。このプロジェクトは様々な企業、団体のみなさまとの協働によって、続々と新しい動きを見せています。

今日はそんな新しい動きの一つ、先月東京で行われ、私たちモリトも参加させていただいた「廃漁網素材から製造した鞄の発表会 ~海洋ごみ問題への解決糸口~」をレポートしたいと思います。海洋汚染問題の現状とその問題に立ち向かうべく立ち上がったみなさんの“想い”をお伝えします。

豊岡鞄2

7月20日、発表会は公益財団法人日本財団(東京都港区)で開催されました。モリトは今回、廃漁網を素材とした鞄作りに取り組む企業の一つとして、廃漁網からできたボタンや紐、生地などを展示させていただきました。また、社内でこのプロジェクトを率いる担当者は、トークセッションでみなさんと意見交換をさせていただきました。

豊岡鞄3

まず、発表会の冒頭では日本財団 笹川陽平会長より、世界が直面する海洋汚染への問題提起がありました。

「地球の7割を占める海洋。日本には“母なる海”という言葉がありますが、これは、すべての生き物は海から発展してきたものであるということです。その母なる海が、今や静かな悲鳴を上げているんです」

日本財団は世界の科学者、1000を超える研究所とネットワークを組み、海に関わる様々な問題解決に取り組んでいます。また、日本では岡山県、広島県、香川県、愛媛県がと共に連携協定を締結し、海洋ごみ対策における広域でのモデル構築を目指した共同事業「瀬戸内オーシャンズX」をスタートしています。

笹川会長は続けました。

「海洋ごみの中でも、これまであまり話題になってこなかったのが漁網です。今回の取り組みのように、海に捨てられてきた漁網をリサイクルすることで新たな商品に換価できるとなると、もう簡単には捨てなくなるのではないでしょうか。単なるリサイクルではなく、付加価値を付けてより魅力的な商品に変換していく。こういった取り組みを世界へ発信していくことが、世界の海で起こる海洋問題、海洋ごみ問題解決への大きな糸口へつながるのではと思っています。」

この問題は決して日本の海だけで起こっていることではないのだと、改めて気付かせていただいた瞬間でした。世界につながる海の問題だからこそ、物事を広い視野でとらえ、ネットワークを大切にし、問題解決へと取り組んでいく姿勢が大切なのですね。

豊岡鞄4

来賓の小泉進次郎環境大臣は、なんと!私物としてお持ちだという廃漁網素材から作られた豊岡鞄を手に登壇され、

「この鞄、毎日使っておりますが、あまりに自然で、漁網からできていると誰も思ってくれないほどです」

という一言も飛び出しました。

今年6月には「瀬戸内海環境保全特別措置法」が改正され、来年には日本で初めてとなる、プラスチックごみの削減やリサイクルを促進する「プラスチック資源循環促進法」が施行される予定です。
小泉環境大臣は、

「今回成立したプラスチックの新しい法律によって、来年から世の中の景色は変わります。コンビニ、スーパー、ドラッグストア等の使い捨てプラスチックが減らされる方向になります」

と社会の大きな変革に期待と自信を表明されました。

豊岡鞄5

今後の展望についても語ってくださいました。

「この鞄のように環境に配慮して設計されたものを国が環境配慮設計として認定し、マークをつけて、消費者のみなさんが環境負荷の低い商品をより選びやすい社会をつくっていきます。環境版のトクホのマークのようなものですね。リサイクルではなく、むしろ今までごみだったものが資源に変わり、もとよりも付加価値がついて売れる時代=アップサイクル。これらが根付き、みなさんが前向きに気候変動、環境の問題に取り組めるように環境省としても連携を深めていきたいと思います。一緒に頑張っていきましょう。」

この廃漁網から鞄を作る取り組みには多くの団体や企業が関わり、想いを一つにして取り組んでいます。そこには、各分野からも大きな期待と注目、応援の気持ちが集まっているのだと肌で感じ、とてもワクワクしました。

みなさんも「廃漁網からできたかばん」に少しでも興味が湧いてきたのではないでしょうか?次回は、このプロジェクトの主役ともいえる“豊岡鞄”について詳しくお伝えします。どうぞお楽しみに!

※このレポートは、実際に発表会に立ち合わせていただいた私、ケイが「なるほど!」と思ったことや感銘を受けたことを、あくまで私の視点からお伝えしているものです。
登壇者の発言は一部要約していますのでご了承ください。


※後日追記

C.O.R.E.は2022年10月、これまでモリトグループが地球環境を守るためにできる取り組み からさらに発展させ、
これからは「新たな価値を創り上げたい」と考えておられる方や企業と業種や業界の垣根を超えて、美しい地球を、資源を、未来に繋げる新しい価値を創造する取り組み へとコンセプトを拡張し、『Rideeco』と改名いたしました。