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毎日決算を読んでいて、ファンになってしまった6社を勝手に紹介してみる。

5月から個人的に取り組んでみた「毎日決算を読んでTwitterに投稿する」という取り組みが100日続きました。
ワニだったら死んでます🐊

Tweetは #毎日決算 というタグで続けているのでタグ検索すれば見ることができるはず。

せっかく100日続いたので振り返りがてら、久々のnoteを書いてみました。
・面白かった企業についていくつか紹介
・感じたこと/学びの振り返り
の2段構成の形で整理してみます。


①ラクスルさん︰TVCMにROIで測れる指標を持ち込んだノバセル

ノバセルというTVCMの効果測定ができる事業を展開。
事業の特徴的なところは「TVCM業界にROI指標を持ち込んだ」という点です。

TVCMは「ブランド認知」という数値的には本来測りにくい指標で効果測定が行われてきていました。この時間帯に流してこういう認知をとりましょう〜といったような会話で数億円もの投資が決められていました。
そういった業界に「どれだけ売上が増えたか」というわかりやすいROI指標を持ち込んだのがこのサービス。

ラクスルさんでは実際に自社でTVCMを行った際に、独自手法で効果を可視化、効果検証を行ったそう。その取り組みをきっかけにサービスとして提供し始めたのがノバセルになったそうです。
地方枠などを活用して、TVCMのABテストなども行うとのこと。

余談ですが、ラクスルさんは決算資料からも「ビジネスを構造的に数字で科学する意識」が強いカルチャーが伝わってきます。
以下のスライドは「ラクスル」の内容ですが、売上を構造分解してKPIに落とし、それぞれの指標を定量的にウォッチしていることがよく伝わってきます。
ノバセルもまさにこういったカルチャーから生まれたサービスなのだろうと思います。

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※あとはネーミングも秀逸ですよね。「ラクスル」も「ノバセル」もサービス名称が端的にサービスの提供価値を表現していて好きです。


②セブン銀行さん︰融資を行わない銀行ビジネス

銀行という名前はついているものの、いわゆる「銀行」のサービスを展開していないところが特徴的です。

一般的には銀行=融資を行い利子で稼ぐモデルです。
一方、セブン銀行は融資事業を行っていません

行っているのはATM事業。
セブンイレブンに設置されたATMでお客様がお金を引き出し、各種銀行から手数料を取るビジネスモデル。セブン銀行の顧客は銀行なのです。

ATMというのは実は維持費がものすごくかかる構造になっています。現金を運ばないといけないですし、現金輸送車が必要になったりもします。
そういったコストを抑えて、ATM事業を代替してもらえるのは銀行にとってもメリット。全国に展開しているセブンイレブンという箱を活用した、すごく秀逸なビジネスモデルです。


③Makuakeさん:単なる資金集め以上の価値を提供するクラウドファンディング

Makuakeさんは盛り上がりを見せているクラウドファンディングの事業を展開。業績も好調。
サイバーエージェントグループの企業です。

クラウドファンディング=アイデアを持った人がお金を集めることができるサービス
というイメージが強いですが、実はそれ以外の価値も提供しています。

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いくつかメリットがありますが、特に特徴的なのは「大量生産前の製品を市場に出して顧客の反応(購買)を確かめることができること」かなと思います。
サービスのアイデアを思いついた際に怖いのは「いざ完成品を市場に出したら誰も求めていなかった」というパターン。完成品を作るのには時間的にも資金的にもかなりのコストがかかるのでリクスが非常に大きくなります。
(だからこそリーンスタートアップのように、できるだけ早く顧客からのフィードバックを貰おうというような手法論も言われるようになります)

クラウドファンディングを活用すればこのリスクを大きく減らすことができます。
まだ試作品段階の製品を市場に出して反応を見ることができるのです。

また、「支援」という形で予約購入を募ることができるため、大量生産前にニーズを一定正しく把握することもできます。購入者がついた分だけ生産するように調整することで「在庫リスク軽減」をはかることも可能です。

単なる資金集め以上のサポートで新しいサービスが世の中に生み出されるのを支援しているモデルが素晴らしいと思いました。

直近で第3四半期の決算も出ていましたが業績ののびがすごい…!

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④グッドパッチさん:デザイナー採用力を競争優位性に

グッドパッチさんは「デザインの力を証明する」をミッションにデザインの受託事業+自社サービスを展開されている企業です。

競争優位性の1つとして掲げられているのが「デザイナーの採用力」
DXニーズの高まりなどもあり、デザイナー需要(採用ニーズ)は高まる一方で、供給(デザイナーの数)は少ないデザイナー採用の市場。デザイナーが採用できるかどうかは事業上大きな鍵になります。

そういった採用市場の中で、グッドパッチさんの採用力を示しているなと思うのが以下のスライド

求職者がグッドパッチ社をなぜ選ぶのか?がここまで言語化されている。それがそもそもの採用力を示しているし、グッドパッチさんがデザイン関連の会社の中でも求職者に選ばれている、そして会社としても伸びている1つの要素なのだと感じました。

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⑤BASEさん:誰もが簡単にネットショップ開設を

Payment to the People,Power to the people. を掲げ、誰もが簡単にネットショップを開設できるサービスを展開しています。香取慎吾さんが出演しているCMが最近は流れていますね。

誰もが簡単にネットショップを開設することができる」ということがサービスのコンセプト。
まさにサービスが求められているユーザーに届いているのだということがわかるのがこのスライド。

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小規模の個人でも自分が届けたい商品を消費者に届けられる世界を確実に実現させていっている。
ロマンをぶらさずに事業にしている点も、確実にターゲットを絞り込んでサービスを届けているマーケティング力も感じられます。

BASEさんも直近で第二四半期の決算がでていましたが、業績の伸びがすごいです!

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⑥サイボウズさん:パッケージモデル→SaaSへの変革

1997年創業。創業当時はパッケージのサービスとして展開していたものを時代の変化に合わせてクラウドモデルに変革していくことで、売上を伸ばしています。

どのサービスも今になってみるとニーズは確実にある一方で、1997年当時には先進的だったのだろうと感じます。
実現したい価値を信じてやり続けた結果、SaaSにフィットする形で一気に広がっているという感じがとても素敵だなと。


📝 せっかくなので個人的な振り返りも少し…

ここから先はニーズがあるのかわかりませんが。個人的な振り返りを兼ねて書いてみます。

そもそも始めた理由💨
以下のようなことを考えたのが「#毎日決算」始めたきっかけになりました。
・経営者(自社/お客様)と同じ目線で話ができるようになりたい。そのための1stStepとして「経営者が見ているもの」を少しでも多く見る経験が積みたいと思った。
・数字感覚を身に着けたかった。新卒から3年間を新卒採用という手触り感の持ちやすい仕事でPDCAを回してこれたことは凄く大きな価値になった一方で、コストをかけて売上をつくっていく感覚は身に付けきれなかったという個人的な反省があった。
・決算書アレルギーを克服したかった。大学時代に簿記は勉強したものの、なんとなく苦手意識を持ちがちでした。毎日見ればなんとかなるかなと(雑)

100日続けて身についた(気がすること)🌱
実際に取り組んでみたところ、もともと想定していた「経営者と同じものを少しでも見る」以外にも色々と感じたことがあったので、大小問わずに書いてみます。
・1,000,000がひと目で100万だとわかるようになった。
・英語3文字の単語に強くなった(ROE、GMV、MRRなど…)
・ビジネスモデルのパターンをたくさん知れた。普段何気なく名前を聞く企業の「儲け方」について、実は理解していなかったものも多かったことに気がついた。
・財務的な知識も最低限学ぶことが多かった。特に市場やビジネスモデルの特徴がPL/BSに表れていることを発見する瞬間は楽しさを感じた。
・「決算書は高尚な読み物だから正しいことが書いてあるに違いない!!!」と思っていたが、見極める目も養われた気がする。
・市場の傾向を掴めるようになった。コロナで伸びる/落ち込む業界とか。DXってほんとにどの会社も言ってるなとか。全体的な市場の流れを把握できた。
・各会社のことも少しずつ詳しくなった。何を実現したくて、何が強みで、今後の展望をどのように描いていて、何が脅威なのかあたりを抑えるとかなり解像度が上がる印象。
・経営戦略・事業戦略、組織戦略、財務戦略など様々な切り口での企業の意思決定の事実+背景を知ることができた(推定することができた)。その目線で見れば、他社さんの動きはもちろん、自社の動きなども今まで以上にクリアに考えられるようになった。
・グラフや表の読み取りが早くなった。
・PPTデザインについても学びがあった。毎日見比べるとわかりやすいスライド(≠デザインがきれいなスライド)と、何を言いたいかがわかりにくいスライドの違いが見えてくるようになった。反面教師も含めて学ぶものがあった。
・決算書を読むスピードはだんだん早くなった。わからない単語が減るから。また決算書の構成は一定の型があるのが見えてくるので、要点を掴みやすくなった。

以上😂
個人的な振り返りを兼ねて書いてみました。

3-3-3の法則というのが好きで、
「最初の3日は楽しいが続くかどうかの分かれ目、3週間がすぎると習慣になり、3ヶ月で成果につながる」

まだまだ発展途上ですが、とりあえずの区切りとして。


👉 Twitter
https://twitter.com/morita1chi

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