【読書メモ】悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?

読書感想ブログもやってみようかと。

コンサルタントの読書術という別の本では「とにかく同じようなテーマの本を数多く読め。その結果頭に残ったものが重要だ」という話を聞いて、たしかになあとも思ったのだが、読み終わったものをアウトプットとして残す場を自分で作ることも重要だろうということでこちらのブログでも少しまとめてみようかと。

というわけで行ってみよー!

リクルート出身で、現在は株式会社人材研究所(http://jinzai-kenkyusho.co.jp/Top_Messege/)を立ち上げてご活躍されている曽和利光さんの本。リクルートさん、オープンハウスさん、ライフネット生命さんなどで人事としても活躍されてきた経験から組織のあり方について逆説的な提示をしている。

「悪人」とは、「人に嫌われることを厭わず、成果のために目の前のことを断行するような人」のこと。

本書では、会社の中では当たり前に「善いこと」だと思われていることに対して「ほんとうにそうだったっけ?」と逆説を投げかけることで、ビジネスにおいて成果を出す「悪人」の像を提示している。


例えば、「働きやすい職場」について。

善人は働きやすい職場を作ろうとする。きれいな職場にしようとしたり、定時で仕事を終えようと働きかけたり。もちろんそれ自体は素晴らしいことである。

問題は「その行動が成果をだすために行っているものなのかどうか」だ。

同じ「自分の机の周りをキレイにしよう」であっても、「何となく気持ちが良いから!」であるのか「職場をキレイにすることに寄って、必要な資料が見つけやすくなり、資料を探す無駄な時間を削減することが出来る」ではだいぶ意味合いが違う。職場をキレイにすることがめんどくさくて嫌だ、というのとは話が違うが、会社で当たり前のように言われていることに対しても疑問を持って何が成果につながるのかを考える悪人の思考を持つことは非常に重要だ。


アドバイスとして非常に参考になったのは「上司の言っていることは間違っている」というもの。

え?上司の言っていることを信用しないでいいの?とタイトルを見て思ったのが素直な善人のぼく。

でも読み進めると非常にその通りなことが書いてある。大前提として、上司は仕事ができる人がまちがいなく多いはず。それは会社の中でのキャリアアップ制度の問題で、より仕事で成果を出せる人がより上のポジションに上がっている可能性が高いから。

一方で自分はなんで仕事ができるのかを言語化出来ている人は意外と少ない。自分で翻ってみるとわかるが、「なんで成功したの?」という問に答えるのは案外難しいものだ。だから上司に仕事のアドバイスを求めても言語化して答えるというのは上司がわからしても難易度が高いものなのだ。結果的に言葉で返ってくるものについては意外と間違っていることが多いという現象が起こる。

ではどうしたらいいのだろうか?

本書では「上司の言葉ではなく、上司の行動を参考にするのがよい」と書かれている。これを読んだときにまさにそうだなと思った。なんでこの人が仕事では成果を出せるのだろうという人は意外と言語化が苦手なだけで、業務上の行動においては成果行動が出せているのかもしれない。

僕も尊敬する上司に言われたことが有る。

「こうなりたいという人を社内に見つけてその人の話し方やクセなんかまでコピーできるように真似してみろ」

この本を読んで上司が言いたかったことがストンと腹落ちできた気がする。


自分は仕事において(プライベートにおいても?)は善人であることが多い。会社の中でのアタリマエに対して疑問を持つことなく「なるほど」と納得してやってしまう。ある意味では自分の長所なのだろうけど「もっと疑問を持て!」「悪徳占い師に変な商品を売られるぞ!」と言われる日々。少しは悪人も演じられるような善人になりたいと思った一冊でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?