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岩手県大船渡市のプロジェクト現場 訪問

縁があって5日間、岩手県大船渡市に滞在して三陸国際芸術祭の関連企画三陸ブルーライン1000年プロジェクトの現場をみさせていただきました。

https://sanfes.com/event/bluelinedemo1

そもそも三陸国際芸術祭とはなんぞや…というところはこちらです。

「三陸国際芸術祭は、東⽇本⼤震災を機に三陸沿岸地域を訪れたアーティストと郷⼟芸能の出会いから2014年に始まりました。青森県八戸市から岩手県陸前高田市まで太平洋に面する全長600㎞以上を舞台に、芸能の宝庫である三陸の魅⼒を国内外に伝えながら、アジアを中⼼とした世界の芸能や現代アーティストとの交流により、持続可能な「創造的復興」の実現を目指す芸術祭です。」

https://sanfes.com/

私は2018年の芸術祭に参加したことがきっかけで、この取組の意義や価値を感じ、東北に通うようになりました。

大船渡に着いて、早速、三陸ブルーライン1000年プロジェクトのリーダーのみんなのしるしの前川さんに会い、前川さんがどのような経緯で東北との関わりが生まれ、震災後の10年間、何をみて何を感じてこられたかや、これからの展望を伺いました。

この10年で、復興もずいぶん進んだのではないのかという印象があったのですが、コロナ禍をむかえて、三陸地域は新たなフェーズに入っていました。ハード面の整備は見た目には整っているようにも思います。しかし、経済的な問題、過疎化、人口減少という課題に直面する中で、次に何をしていかないといけないのか、危機感をもって現状を語っておられました。三陸で起こっている問題は、国内の地方でも起こっていることではありますが、震災の経験、復興や地域性や地理的な特性からも難しい状況があります。

地域の方にとって民俗芸能は心の支えであり、地域コミュニティーの要のひとつであったと色んな方から耳にしてきました。その民俗芸能を切り口に復興の一役を担ってきた三陸国際芸術祭の取組はリスペクトをしていますし、芸術祭を通して、自分自身も地域の方と繋がり、地域の民俗芸能に触れることができ、豊かな体験をすることができました。

三陸ブルーライン1000年プロジェクトのアートコンダクターは井上信太さんです。
三陸の青を収集し、タイルに三陸ブルーを焼き付けて(現段階…ここは大人の事情で表現ぼかしますが)訪れた壁にタイルを貼って、三陸を繋げる構想をもっておられました。地域の子どもたちが信太さんのワークショップに参加している様子をみましたが、モノづくりを通して「魔法がかかる」という表現がぴったりの子どもたちの様子でした。美術家とおっしゃられていましたが、「舞台人」とも言える姿でした。

アートコンダクター 井上信太さん

5月29日のデモンストレーションでは、多くの地域の方々が集まり、三陸ブルーのタイルを壁に貼っていきました。地域の方の笑顔と歓声と拍手と、多幸感に包まれた瞬間でした。

地域の方が多く参加されていました。
記念にタイルを壁に貼りました。

このプロジェクトは中心になって動いている方はもちろんいますが、地域の方も同じくらい想いをもって、この場におられる感じがしました。単発のプロジェクトではなく、地域で10年間、地道に活動をして、地域のためにという想いに共感しての今日だったのでしょう。素晴らしい瞬間に立ち会えたことに感謝します。

撮影の現場

今回、感じたのは熱でした。
特に50代後半の感覚は、それ以降の世代にはない熱さがありました。
無理そうなことや難しそうなことでも、「じゃあ、次はどうしようか?」と現状を切り開いていく。その姿をみて、純粋に感動しました。


みんなのしるしにて撮影



文責 森田 千尋


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