マガジンのカバー画像

日日是平日

218
毎週土曜日更新。1000字以上2000字未満の文章です。
運営しているクリエイター

記事一覧

Perfume、副詞、所詮人間

およそ七年前、よくPerfumeのライブに行っていた。代々木競技場、日本武道館、東京ドーム。大…

森 信太郎
3年前
16

パン屋で落ち込んだ話

いろいろとあって疲弊している。手書きなら「弊」の字をあきらめるほどの疲弊だ。とにかくなん…

森 信太郎
3年前
10

とんかつ三田 日吉店の話

揚げ物の妖精に呼ばれたのだと思っている。この世のどこかにいるはずの揚げ物の妖精が、ちゃん…

森 信太郎
3年前
13

あのとき桜を見に行っていたらの話

歴史に「もしも」はない、とよく聞く。意味はよくわからない。「なるようにしかならなかった」…

森 信太郎
3年前
10

天使じゃないと気づいた話

たとえば、カレー屋に入る。家が繁華街に近く、飲食店の選択肢は多い。だが日曜日の夕方、一人…

森 信太郎
3年前
11

物語を読むことと地図を描くことの話

毎日毎日小説を直している。出版される見込みがうすいのに、だ。文藝賞のこれまでの応募総数を…

森 信太郎
3年前
3

休載のお知らせ

体力限界千代の富士のため、今週の更新はありません。 次回更新は3月6日(土曜)です。

「粗大ごみを出したい」の話

他者の他者こそがじぶんである、という考え方がある。おそらくわたしの目には、鷲田清一の著書…

森 信太郎
3年前
14

子どもによくガン見される話

子どもが好きだ、と公言する人が信用できない。子どもにもいろいろいるからだ。好きな子どもも…

森 信太郎
3年前
9

人気者になってしまった話

人気者になりたいと思ったことがないが、なったことがある。自慢に聞こえたら謝る。誤解を招い…

森 信太郎
3年前
10

毎日憂鬱でしかたない話

憂鬱だ。毎日憂鬱でしかたない。8時にセットしたアラームを断ったあと10時まで寝て、だんだん…

森 信太郎
3年前
14

毎朝コーヒーをいれる話 (1,307字)

dポイントの引き換えでもらった真っ赤な電気ケトルに、滝のように水をいれる。「0.5L」の白線…

森 信太郎
3年前
6

死ぬなよおじさんの話

わたしの通っていた小学校には、「死ぬなよおじさん」がいた。なんとなく志村けんの「いいよな…

森 信太郎
3年前
11

深夜の高校に車で向かう話

どこまでも行けるはずがなかった。そもそも他人の車だ。自分の行く先をヘッドライトが照らすが、わたしが行くから光るのか、光るから行くのか、いまいち判別ができない。行きたいところはない。目的地は副詞にすぎない。わたしはやはり、シートをもっと低くすべきだったと後悔する。 思いつきには理由がある。むしろ、理路整然とした行動より思いつきのそれのほうが、理由がより深層にあり容易には霧散しない。だから高校以来時が止まっている部屋でくつろいでいるわたしに、親の車でドライブをしたいと思わせた見