物語を読むことと地図を描くことの話
毎日毎日小説を直している。出版される見込みがうすいのに、だ。文藝賞のこれまでの応募総数を考えれば、倍率は約2,000倍。つまり2,000分の1で成功する確率の試みに一年弱の時間を費やしてきたのだから、これはもう「道楽」や「酔狂」と表現したほうが正確だ。まちがっても「苦節」ではない。そんなに高尚なものではない。
だから当然、物語とはなにか、ということをよく考える。「脳科学から考える名脚本」的な本も読んだ。集団で生き延びることを決めた人類は、常に物語を必要とする。それはわかった