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BOOK REVIEW vol.076 家が好きな人

今回のブックレビューは、井田千秋さんの『家が好きな人』(実業之日本社)です!

井田千秋さんのオールカラーコミック&イラスト集。本屋さんの書棚を眺めていたときに偶然目に留まったのですが、イラストが可愛くてとっても素敵なのです。(著作権の関係上、画像は載せられないので、ぜひAmazonリンクから見てみてほしい🥺)

表紙のイラスト(紙質の手触り感も好みでした)に引き込まれ、その場で少し中身をパラパラと拝見すると、繊細で緻密なイラストに感動。。そして、イラストから伝わるあたたかさにほっこり。乾いた心が潤いを取り戻すかのように癒されていきました。

内容は、さまざまなお家とそこに暮らす人(5軒×5人の女性)の日常が描かれているのですが、読むとますます家が好きになり、myルール、myルーティンで過ごすおうち時間がとても愛おしく感じられて、あらためて「おうち時間っていいな」と思えてきます。どのお部屋にも、住む人の個性(職業や趣味、食やインテリアの好みなど)が、“その人らしさ”として滲み出ていて、当たり前ですが同じ部屋はひとつもなく、5人それぞれの“生活感”がとても良かったです。

何より井田千秋さんのイラストが緻密で、細部までぬかりなく丁寧に描かれているので、一枚の絵も隅々まで見て楽しめます。私はとくに料理シーンが好きなのですが、出来上がったお料理がこれまた美味しそうで!本当に湯気が立っているような、温度を感じられるイラストを見ていると、自然と食欲が刺激されました(笑)

それぞれのお話の最後には、そのお部屋の間取り図が載っているのですが、これは間取り図好きにはたまりません〜。ひと通りその家の動線を確認後、もう一度本編に戻り、「これはどの角度からの構図なのか」とか「なるほど、あの小窓の外はベランダだったのか」などと、検証を楽しみました(探偵み…笑)

不動産屋のチラシの間取り図に、家具を描き入れて遊ぶ子供でした。
お宅訪問やリフォーム番組を夢中で見ていました。

『家が好きな人』あとがきより引用

あとがきの出だしを読んで驚いたのは、私も井田さんと同じく、子供の頃は不動産屋のチラシの間取り図で遊び、それでは飽きたらず自分で理想の間取りを描いていたこと(笑)井田千秋さんのイラストから伝わる愛は、溢れ出るお家への愛なのだなぁと感じました。そして読ませていただいた私も、あらためて家とおうち時間が大好きなことを認識し、ほっこりとした気持ちになりました。

家は自分の羽を休め、リズムを整える場所でもあるからこそ、自分自身の“好き”や“心地よさ”を臆することなく取り入れていくってすごく大切。そして、5人の女性が皆、その部屋での生活を愛し、自分なりに楽しんでいる様子から、“おうち時間を愛する=自分を労り愛すること”なのだと気づきました。

5軒分のお話はオムニバス形式で描かれているのですが、独立したお話のようでいて、じつはとても優しい人間関係のお話でもあります。読んでいるうちに心がまあるく整っていくようなお話ばかりで、家やインテリアが好きで、癒しを求めている方にはぴったりな一冊です。

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