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BOOK REVIEW vol.041 自分らしく生きる フィンランドが教えてくれた100の大切なこと

今回のブックレビューは、島塚絵里さんの『自分らしく生きる フィンランドが教えてくれた100の大切なこと』です!

2016年、フィンランドに一人旅をして、フィンランドという国が大好きになりました。あれから約8年が経つ今でも、ふと思い出すのはフィンランドの美しい街並みと緑豊かな公園でリラックスする人々の姿(それから市場で食べたサーモンスープのことも…!)。

今回レビューする『自分らしく生きる フィンランドが教えてくれた100の大切なこと』は、本屋さんの中をぐるぐる歩いていた時に“フィンランド”という文字が目に入り、思わず手に取った一冊。パラパラとページをめくった時に、旅をした日々の懐かしい記憶が次々と溢れてきました。

著者の島塚絵里さんはフィンランド在住のテキスタイルデザイナー・イラストレーターとして活躍されている方。お名前を見て「あ!」と思い出したのは、以前、北欧特集の番組でインテリアとしての“布の使い方”を紹介されていたこと。島塚さんのテキスタイルデザインもフィンランドでの暮らしも本当に素敵で、ずっと印象に残っていました(調べてみるともう3年前のことでびっくり)

まず装丁の可愛さにときめいてしまいます。本文中にも素敵なイラストや美しい写真が満載なので、ページをめくるのが楽しみでした。

本文には、島塚さんがフィンランドの暮らしの中で得た気づきや、フィンランドの人々から教わった知恵などが100個も綴られています。各章のテーマも「自然が教えてくれたこと」「暮らしの楽しみ方」「ひとづきあい」「人生について思うこと」etc…と身近なことばかり。島塚さんの日記やエッセイを読ませてもらっているような感覚で、共感しながらすいすい読むことができます。そしてフィンランド流の習慣やフラットな考え方を知れば知るほど、心が穏やかになり、沈みがちだった心が、少しずつ前向きになっていくのが分かりました。

pikkuhiljaaピックヒリヤーのおまじない
フィンランドに移住した当時は、大海原にぽーんとなげだされたようなそんな状態でした。自由だけれど、どっちに進んだらいいかわからないし、一体どこから始めたらいいのかわからない。言葉の習得もままならず、仕事もなかなか見つからず、焦る気持ちに苛まれていました。そんな時に友人に何度もかけてもらった言葉がpikkuhiljaa(ピックヒリヤー)。直訳すると「小さく静かに」で、少しずつという意味です。かたつむりの一歩でも、続けていけばいつか道になります。今でも焦りや不安に心が支配されそうになると、この言葉を思い出して心を落ち着かせています。

『自分らしく生きる フィンランドが教えてくれた100の大切なこと』より引用

私もかたつむりの一歩だとしても、じりじりと前に進んでいくぞ…。

『世界幸福度ランキング』に、6年連続で一位に輝いているフィンランド。けれど実際のフィンランドには、失業率の高さやアルコール依存などの社会問題も多く、また冬になると“太陽が見えない暗くて寒い日々”が長期間続きます。島塚さんも「ほんわかした楽園ではない」と書かれていますが、そういった側面があるからこそ、昔から人々によって知恵が生み出され、“SISU(シス)”と言われる心の強さ、不屈の精神力がフィンランド人には備わっているのかもしれません。長く厳しい冬が来るからこそ、日々の小さな幸せを大切にし、強い心で乗り越えるフィンランドの人々。そのマインドをますますリスペクトしたくなりました。

“100の大切なこと”は、見開き1ページに1つずつ掲載されているので、ビブリオマンシー的にパッと開いたページの言葉を読んでみるのも面白そうです。より自分らしく生きるために必要な言葉に出会えるかもしれません^ ^

余談ですが、フィンランドのことを考えていたら懐かしくなり、カメラロールに保存していた写真を振り返ってみました。2016年の旅の思い出をここにも少しだけ残しておきます^^

公園で見つけたスマイルマーク♪
のんびりと穏やかに日光浴する人々
ヘルシンキ郊外にあるマリメッコ本店
マリメッコ本社の社員食堂で食べたランチ♪
ヘルシンキの美しい街並みを走るトラム

Kiitos!

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