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BOOK REVIEW vol.027 あなたは、あなたなりに生きれば良い。

今回のブックレビューは、 加藤諦三さんの『あなたは、あなたなりに生きれば良い。』です!

「本当の自分」とは何か。自分の本当の感情を認め、
あるがままの自分で生きることへの希望が湧いてくる良書。

『あなたは、あなたなりに生きれば良い。』は、人生が何だかうまくいかない、落ち込みやすい、生きづらい・・・そんな人に向けて、多くの心の問題に関するケーススタディを紹介しながら、その根本原因や人生を拓く心の持ち方について記されている。

「これはもしや私のことを言っているのでは…」そんな風に思える事例が多くあった。本当は見たくない、自覚したくない、思い出したくない、そんな古い感情と向き合うのは苦しみを伴うけれど、自分に問いかけるように、心の深部にアクセスするように読み進めた。本を読んでいる間は、静かに語りかけるような加藤諦三さんの言葉と共に深海へと潜っていくような、自分の内面に集中した時間だった。

その人は「本当の自分」が分かっていないままで生きてきた。しかもその間「本当の自分」が分かることが怖かった。あえて「本当の自分」が分かっていないことに気がついていないままで生きてきた。

『あなたは、あなたなりに生きれば良い。』P126より引用

「本当の自分」とは何か。ページを読み進めるうちに、それが炙り出されるように見えてきた。

思い出したのは、今年7月、QUANTAさんの『play earth in Hawaii』に参加し、Dr.マイケルのSomatic Energeticsを受けた時のこと。グループセッションの最後にペアになった人と向かい合い、お互いの目を見ながらDr.マイケルが示すメッセージを伝え合うワークがあった。そのメッセージとは「私はあなたを無条件に受け入れ、愛します」というもの。

私は真っ直ぐにこちらを見つめる相手の目を見ることができず、すぐにうつむいてしまうため、Dr.マイケルにそっと身体を支えてもらいながら何とか相手の目を見ることができた(この時、なぜかとても恐怖心があった)。そして相手が優しい表情でそのメッセージを伝えてくれたのと同時に涙があふれ出し、ハグをした際には、自分ではもうコントロールができないほどに泣いてしまっていた。

その涙は悲しいものではなく、安堵と喜びと感動からくるものだった。私自身も知らない(あえて気づかずにいた)「本当の私」が泣いているような感覚。それは幼い頃の「愛していると言ってほしかった。愛されていることを心から実感したかった」という渇望が癒やされ、悲しみが解き放たれた瞬間であり、また同時に私自身が「自分の本当の感情」を認識できた瞬間でもあった。

自分の本質に気がつき、それを認めたとき、人は豊かな人生を歩き始める準備ができた。
意味のある人生を送る鍵、それは自分の本質に気がつくことである。自分の本当の感情に気がつくことである。

『あなたは、あなたなりに生きれば良い。』P173より引用

私は「本当の自分」を直視することをとても恐れていたように思う。傷ついた過去をできるだけ無かったことにして、まったく別の人物として生きていたかった。でも加藤諦三さんの言葉によって、その願望や主張が「本当の自分」や「自分の本当の感情」と大きな乖離があることこそが、人生の詰まりの根本原因だと気づかせてもらうことができた。大切なのはまず「本当の自分」を認め、受け入れること。そう理解することでとても腑に落ちたし、この一冊を読み終える頃には、今まで葛藤しながら生きてきた人生も、抑圧していた感情も、ありのままの私も、すべてを肯定してもらえているような気持ちになった。

「他の誰かになろうとしなくていい、私は私らしく生きれば良い」それはよく耳にするフレーズだけれど、加藤諦三さんの言葉はとても深い。その理由を心理学的な側面から説いてもらえたことによって、本当の意味で「あるがままの自分で生きることの意味」を理解できる一冊だった。人生に生きづらさを感じている人、生きやすくなるヒントが欲しい人、「本当の自分」に向き合いたい人に読んでもらいたい。「あるがままの自分」で生きることへの希望が湧き、心が軽くなる一冊だと思う。

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