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BOOK REVIEW vol.095 愛のエネルギー家事

今回のブックレビューは、加茂谷真紀さんの『愛のエネルギー家事』(すみれ書房)です!

手のひらで読む”の加茂谷真紀さんのご著書。私は、3年前に配信された、QUANTAさんのホニャララLIVEがきっかけで真紀さんに出会いました。それからずっと大好きです。

慌ただしく過ぎていく日常に、「愛」を宿してくれる一冊。

『愛のエネルギー家事』は、とっても不思議なご本だと思っています。自宅の本棚の前に立つと、背表紙がずらりと並ぶ中、なぜか『愛のエネルギー家事』と書かれた赤い文字とよく目が合います。どこか楽しげで、踊っているようにも見える、ご機嫌なタイトル文字。その文字と目が合うだけで、なぜか心がほっと安らぎ、安心感を覚えるのです。これは、『第5章 住む人に心地よい空間をつくる ー片づけ』にも書かれていることなのですが、本に宿る“愛のエネルギー”が、本棚の中でも常に放たれているということを、日常の中で実感しています。

↑ホニャララでも“本のエネルギー”について語られていましたね!

実際に、手に持つだけでも心がじんわりあたたかくなる本は、『愛のエネルギー家事』が初めてかもしれません。表紙の質感や本文の手触りにも、ほっこり癒されるので、ついスリスリと触れていたくなります。「なんて手触りの良い紙なんだろう」と思っていると、奥付には、本文・カバー・帯・表紙等に使われている“紙の種類”が明記されていました。そういった細やかな心遣いにも、真紀さんの本に対する愛情を感じます。

人の心を優先すれば、
家がすーっと整っていく。
効率を追求せず、「自分の機嫌のよさ」や
「気持ちの明るさ」を大切にすると、
結果、効率がよくなるという、素敵なめぐり。

『愛のエネルギー家事』帯より引用

『愛のエネルギー家事』は、効率や節約、整理整頓術が書かれた一般的な“家事本”とはすこし趣が異なります。綴られているのは、家事を、“機嫌よく”、そして“明るい気持ち”で取り組むことの大切さや、その効果について。家の中を明るく優しい愛のエネルギーで満たすために、心を込めて家事をすることや、手のひらを使い、自分や周りの人、物や家を慈しむことについて、真紀さんからの優しい提案がたくさん詰まっています。

ふと思い浮かんだのは、北陸にある実家の朝の光景。朝早い時間から祖母と母が、代わる代わる玄関の掃き掃除をし、廊下や階段を磨き、トイレ掃除をして動き回っていました。築年数の古い家でしたが、廊下はいつもピカピカ! 階段もツヤツヤと光っていました。それに加えて、母は毎日、栄養のある食事もきちんと作ってくれていたのです。当時、まだ子どもだった私は、それを当たり前のことのように見ていましたが、自営業で共働き、3人の子育てをしながらの家事は本当に大変だったと思います。祖母も母も今はもうこの世にいませんが、あらためて「ありがとう」と心から感謝を伝えたくなりました。

慌ただしく過ぎる日々の中、私もつい、「◯時までにやらなきゃ」、「毎日、◯◯するって決めたんだから、やり遂げなきゃ」といった思考にとらわれてしまいます。毎日の家事が“義務”のようになり、とても苦しくなる時もありますが、真紀さんの言葉を読んでいると、「無理しなくても大丈夫」と優しく声をかけてもらえているようで、「◯◯しなきゃ」といった焦りや呪縛からも解放されたような気持ちになります。“疲れたらいったん立ち止まる”という許可も、これからはもっと気軽に出していけそうです。

日々の生活の中で、「ちょっと疲れたな、癒されたいな」という時にも、『愛のエネルギー家事』はおすすめです。心を優しく包み込み、また前を向きたくなるような言葉がたくさん詰まっています。本田亮さんのイラストもとっても素敵。ずっと眺めていたくなる、思わずその絵の世界に入り込みたくなるような温かみのあるイラストは、真紀さんの文章と絶妙なハーモニーを生み出しています。

『愛のエネルギー家事』は、慌ただしい日常の中にも、しょんぼりしていた心の中にも「愛」を宿してくれます。今回も、忘れかけていた、大切なことを思い出すことができました。これからもずっと、お守りのように大切にしていきたい一冊です。

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