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古代米 / 米の多様性

オランダとドイツに暮らすヴィーガンの友人たちに送るクリスマス・プレゼントの準備中。米と雑穀はいつもここの商品です。群馬県藤岡市(高崎の手前)、浦部農園が生産・直販する古代米。ヨーロッパではもちろんつくっていないし、日本語以外の言語での情報が少ないから、大げさに言えば500年前のインドの胡椒のような人気があります(ダイヤか LOL)。
浦部農園 :
http://kodaimai.sakura.ne.jp/

ご内方の病気に対処する食療法が農業への専業帰還のきっかけ。愛の米、だね。2011年東電原発事故、関東平野北部へのセシウム飛来では、奇跡的にクリーンスポットになりましたが、売り上げが激減して苦労なさったようです。

いわゆる古代米は4,5種類。特別な食事の機会に白米に混ぜるとメニューがしまる。白米(玄米)+雑穀、ではなくて、ニッポンは一枚岩的なうるち米ナショナリズムの外へ向かう rice diversity の一つの姿だと思います。

個人的には赤米がいい感じだなとは思っています。しかし、人の背丈ほどの稲だから倒れやすい。作付けを増やせば人手がかかる。高価なのは仕方がないですね。

南インドのような米の生産品種の多様性と、個人消費の場面での使い分け。もし浸透したら、日本のフードスケープのそこかしこに良い影響を与えるでしょうね。「米が主食という神話が崩れた」という見当つけそれじたいが、市場中心主義的な食文化の商品アセットを担ぐための神話に過ぎないのですから。市場ではなくて農地から起き上がる多様性を信じたい。

「マダムオリザの農園日記」ほか経営者の身辺雑記が素敵です。本にしていただきたい。

一筆啓上 野良からの手紙
浦部農園が古代米の有機栽培を始めて20年が過ぎました。米・麦・大豆という収益性の低い作目、膨大な設備を要する土地利用型農業で、助成金に頼らない安定経営を実現してきたことは、若い有機農業者を励まし、農外からの新規就農者に希望を与えてきたという自負があります。
しかし、福島原発事故は私たちの自信と希望をものの見事に打ち破ってしまいました。
放射能汚染について農園は高い危機意識を持ち、世界で最も厳しいとされるウクライナ基準を超えないと、確認できた場合にのみ販売を行う方針をお客さまにお伝えして、新米のご注文をお願いしてきました。
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