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軸がぶれないが正しいの?

近年、スポーツ界では当たり前になった言葉。
「体幹が強い」「軸がぶれない」
サッカーやバスケでは当たり負けしない。
陸上では軸がぶれず走る。
みたいなところで使われています。
もはや当たり前となり、疑う人も減ってきたところで
あえて、軸や体幹を紐解いてみようと思います。

軸がぶれないの意味

いつからか言われるようになった軸がぶれない。
特にスポーツにおいてはぶれないことが正義とされ
なぜか体幹トレーニングがブームとなっています。
正直にいうと、何をもって軸がぶれないと表現しているのか?
おそらく明確な基準はないのではないかと考えています。

そもそも軸とは何なのか?
この点に関しては、定義があまりにも曖昧になっています。
例えば
・左右へのブレが少ないこと
・上下動が少ないこと
・ぶつかっても倒れないこと
などを総称して、「軸がぶれない」という表現をしているのではないかと想定します。
軸が目に見えるものではありません。
目に見えているものは、あくまでも
「身体の中心ラインが真っ直ぐであるだけ」ということです。
それを「軸」という表現で片付けるのは少し乱暴。
言葉が先行して、軸が崩れないようにトレーニングを行うことはあまりにも危険であることを理解していただきたい。

では、「軸」を少し紐解いてみます。
軸の意味をネットで調べると
「何かの中心にあり、その周りをぐるぐる回るもの」とか
「何かを巻くときに中心になる棒」などと表現されています。
つまり、軸とは目に入るような身体の中心ラインではありません。
身体を上から見たときに、ど真ん中を上下に突き抜ける一本の棒のことを指します。
しかし、ほとんどが体幹トレーニングなどで作ろうとして
身体の前面を固めて一本の棒のように作り上げることをしているのです。
これは軸を作っているのではなく、身体の前面を固めるトレーニングをすることで
物理的に上下左右に動かない身体を作っています。
もちろん、筋力が重要なことは言うまでもなくありませんが
その作り方の問題があります。
実は物理的に固めた身体は、必要な自由度を奪います。
軸という言葉先行していますが
本当に必要な軸と、今当たり前に言われてる軸は意味が大きく異なることを理解しておきましょう。

軸とスポーツの関係性

では、軸とスポーツはどのように繋がっているのでしょうか?
先ほどの言葉の定義に戻ると、軸とは
「何かの中心にあるもの」ということで理解できます。
つまり、身体の立体である身体のど真ん中を通る軸を中心に
胴体や四肢を動かすこと。
もっというと、軸が通る人の動きは特にしなやかで、綺麗で無駄がない人が非常に多い。
例えば、フィギュアの羽生結弦選手や体操の内村航平選手など。
正中に一本軸が通ると、当たり前ですがその周りにある身体は力が抜けます。
言い換えると、人の身体は安定するポイントがないと力が抜けません。
それを正中の軸が可能にすることで、手や脚はもちろん全身の力を抜くことができます。
スポーツにおいては、力みがパフォーマンスの大敵となりますが
このような選手に「力を抜け」と言っても抜くことはできません。
なぜなら、安定するポイントを作れていないからです。
世界のトップ選手を見ても、やなりどこかしなやかで、動きに無駄がない。
力を抜ける状態から、急激に力を入れることができれば
それは「キレがある」とも言われ、大きな能力になります。

このように考えると
軸がハイパフォーマンスにとって重要な要素になり
かつ、軸を整えることは身体そのものに大きな影響を与えるものだと理解できるかと思います。

軸を整えるために出来ること

では、軸を整えるためにどうしたら良いのか?
これは大きく分けて2つでアプローチが可能と考えており
・エクササイズを通じて意識していくこと
・日常生活でとにかく意識すること
の2つです。
見てわかるように、軸の正体は「意識」であることになります。

まずは日常生活意識してみましょう。
例えば
操り人形のように天から一本の糸で釣られている感覚。
歩いている時も出来るだけ足の接地時間を最小限に。
天から釣られていると、頭が天に引っ張られている状態になるので
接地をする時には大きな力が入らなくなります。

さらには、立っている時にはどうすれば全身の力を抜けるか?
天から軸を通して一本のライン上に自分がはまってくれば
感覚にはなりますが、その軸に身体を任せることができるようになってきます。
(もちろん全て託すということはできませんが、、、)
身体の中心を通すような感覚になれば、そこを中心に全身の力を抜いても立てるようになります。
みんな気づいてはいませんが、多くの人が無駄な力を入れて生活をしているのです。
まずは、その違いを理解することから始めましょう。
エクササイズは発展的な動きになるので、まずは日常から整え
それをエクササイズに落とし込んでいくことが重要になります。

また、もしかすると頭の良い方は気づいているかもしれませんが
無駄な力が入っている瞬間はどんな時ですか?
実はそんな時は軸も乱れます。
乱れるというか、身体の中心に意識を持ってくることができません。
これは、瞑想で行われる呼吸法でも言われますが
自分の身体の中心に意識を持ってくるという点でも軸を整えることは同時に心身ともに整えることに繋がります。
軸が強い人は、実は意志が強い人も多かったり
想いの一貫性が強い方などもいたりします。
それも軸だからです。
「身体のことだから、、、」で終わることではなく
普段何気なく過ごしているところから軸は整えることができることを知っておいて欲しい。
それが、実はスポーツにも繋がるのです。

いかがでしたでしょうか?
なんとなく使っている「軸」を紐解いてみました。
軸は目に見えるものではなく、意識であること。
そしてそれは、日頃の意識次第でトレーニングできること。
そんなことをぜひ挑戦してみてください。

お読みいただきありがとうございました。

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