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読み聞かせがいい、のホントの理由

 良きママでいたいがため、何か学んでくれることがあるはずだと期待して、子どもたちが小さな時、読み聞かせをしていた。それがいいとされる本当の理由も知らずに。
 なぜ、読み聞かせがいいのか。子どもがお母さん(大好きな大人)を独り占めできる時間だから。絵本を読む場所や時間があることは、安心感を得られ、大人との信頼関係を育むことができる。それがとにかく一番の理由。言ってしまえば、本の内容はなんでもいいのだ。
 山口雅子先生(元東京子ども図書館設立職員)の講演会に参加して学んだ。
 大人と子どもでは絵本の楽しみ方が違う。大人は絵本と距離がある。絵を絵画として鑑賞したり、子どもにウケるだけで満足する傾向があり、内容をさらっとよんで大雑把に掴みがち。子どもは絵本と距離がない。絵本の世界と現実を行ったり来たりする。主人公の運命は自分の運命。絵本で起こっていることに一喜一憂する。本の世界を行き来できる年齢は極めて短い。2・3歳から8・9歳までの6・7年間だ。その間に心が動く絵本にたくさん出会えば、いろいろな気持ちや物事を体験して想像力が成長する。読み聞かせのとき子どもが無表情だったとしても、それは本の世界に入り込んでしまって夢中であることが多いそう。
 では、どんな絵本を選んだらよいのか。子どもが主人公と一緒に体験できるもの。絵だけでお話がわかるもの。説明的な文ではなく気持ちを引きつけて共感しやすい情緒的な表現で書かれているもの。女の子はとても悲しい気持ちでした ではなく、女の子は大声をあげて泣き出しました みたいな表現。
 
 残念なことには、私の子どもたちはすでに高校生であり、絵本の世界を行き来できなくなっているし、読み聞かせなくとも自分で本は読めてしまう。。。あぁ、もっと前に先生のお話ききたかった。今さらながら読み聞かせの素晴らしさを知ることとなり、今後私はどうしたらよいのか。
 孫、かな。それまでこのことを忘れないためにも、ここに記しておけてよかった。その時が来たら、子どもが絵本の世界を行き来する様子を、ぜひ余裕を持って見守りたい。
 そういえば、私の息子が『こびとづかん』という絵本のこびとは本当に存在するものだとけっこう大きくなるまで信じていたとカミングアウトしてくれたことがあった。たしかに、こびとを、捕まえるんだといって妹と二人で庭に罠をしかけたりしてたこと、あったっけ。もっともっと一緒に楽しめばよかったな。「絵本を遊ぶ」体験はきっと大人にとっても幸せの時間。

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