人生、転職やり直しゲーム 第一章

【営業トーク】

いつもは訪問すると嫌な顔をされるのに、
今日は屋根修繕の件があるから
家で手作りのご飯まで出してくれた。
鴨葱さんは奥さんを亡くして一人暮らし。
歳の割に体が達者で畑や自炊をこなしていた。
一人息子は、独立して家にいない。

俺が呼んだパワハラパレスの下請け建設業者がすぐ来て、
見積を出した。
金額が高いのは俺の指示通りだ。

「結構かかんだな。
高くないか?」

「築50年のお家ですからね。
今使っていない建設材料を使っているので、
そこでお値段がどうしてもかかります。
どうでしょう、
アパートと、自宅がくっついた住宅を新しく作るのは?」

「あんたがずーっとしつこく薦めてたやつだな?」

「私は鴨田さんのことを思って勧めていました。
この家、さっき、業者が言ってましたが、
他にも、色々直さなくてはならないところがありますねぇ。
現在、メーカーが作っていない材料ですと、
修理が高くつきます。
トイレも調子悪かったですよね?
水周りなんて、特にそうです。

いっその事、立て替えて、
お子様が相続しやすいようなさったらどうでしょう?
アパートがついていますと、
家賃収入も期待できます。
この家を取り壊し、
新しくアパートつき住宅を建ててみるのは
どうでしょう?」

「うぅん、ちょっと待ってくれ…
家の屋根を修繕する話から、いきなり、
アパート経営なんて言われても
簡単に決められないべ」

「鴨葱さん、今日、飲みに行きませんか?
お昼ご飯のお礼をしますよ。
その時、細かいお話をしましょう。
好きなタイプは?」

「タイプ?なんだべ?」

「女の子ですよっ!」

「あぁ、俺は、おっぱいの大きい若い子が好きだべ」

「わっかりました!
私、1度会社に戻ってから、迎えに来ます。
店のセッテイングはおまかせください!」

「ほんとか?楽しみだべ。うへへ」

俺は一緒に来た外回りメンバーと車で一度会社に戻り、
設計科からオススメ図面をピックアップしてもらい、
大雑把な見積もりを作成。
今夜は、鴨葱さんの夜の接待に向かうことにした。

【夜の接待】に進む




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