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『不味いものが美味い4D味』のススメ。

不味いものが美味いと感じるようになった。

なにを不味いと感じ、
なにを美味しいと感じるかは
人それぞぞれの好みでちがうけれども

例えば、
苦手という人が多いイメージのパクチー。


あー、美味いー、パクチー。


むかしはキライで食べられなかった
春菊、セロリ、セリ、クレソン、ゴーヤは
大好物。


クセのあるものが、だんぜん好きになったのです。

(しらべてみると、年齢をかさねるにつれ、
味を感じる器官の“味蕾”が衰えるそうデス…。だから苦みが丁度よくなるんか)


4年ほどまえに
食生活を
野菜中心にかえてから嗜好がガラリとかわり、
野菜が大好物に。

そしてその行く先は、
不味いものが美味しいと感じるようになった次第。


不味いとは?


ちなみに、
料理の味付けに失敗した“不味さ”ではなく、
その素材そのものの味のクセの強さ、または弱さを不味いと感じる、の不味さ、であって、
言うなれば、メチャ苦い、酸っぱい、超薄味、みたいなゾーン。(?)


以前、

ハヤトウリの浅漬けをいただいて
食べたとき、
ひとくち目に「まずぃ…」と感じた。

なんだこれは、食べ物か?
それくらい、わたしの好みに合わなかった。

が、
コリコリした触感が良かったので
つづけて口に入れているうちに

あれ?美味い…?と変化したのである。

味に慣れていくということなのか、
そういった不味美味い食べものに
わたしは感動を覚えるようになった。


不味美味い味は4D。


わたしの感じる美味しいという感覚は、
以下のように分類される。


・美味しいお菓子・パン…2D
・美味しい食べもの・料理…3D
・不味美味い食べもの…4D


この4Dの食べものが
大好きなのである。

不味いようでいて不味くない。
噛みしめると
その味の立体感によって、
体に「美味い」がしみこんでくる。
じんわりと。


2Dの味。


2Dの美味しさは
一瞬で消えていく幻のような味だと
とらえている。

口に入れた瞬間の美味しさは
衝撃的だけれど

飲み込んでしまえばあとは
「あれ?なにか食べたっけ?」となり、

そして次から次へと
手が伸びてしまうのが
この2Dの食べもの。
(別名:記憶喪失になる食べもの、とも呼んでいる。)


けしてお腹は空いていなくても
一口食べたが最後、
どんどんと食べ続けられてしまうので
そんなときのじぶんのことを『ゾンビ化した』と呼んでいる。


もっともっと、
くれ~くれ~と切りがなくなるゾンビ化現象を引き起こす、
とても美味しい罪な食べ物たち。

ただ、気が付くと、
パッケージのゴミだけが机の上に散乱し、
なにか満足というところからは
遠くはなれた場所へ連れて来られたような気持ちになる。

味に奥行きがなく、
平面なので2Dな味。わたしには、だけど。



3Dの味。


美味しいお料理は3D

口に入れた瞬間も美味しいし、
飲み込んだあとも、ずっと美味しい。

立体的な味で、とにかく余韻がすごい。


体がスタンディングオベーションのごとく、
喜びわきあがっている感じがして


細胞たちがわたしに「グッジョブ!」って、
「よくぞ食べてくれた!」って
大合唱しているような感動につつまれる。


春に煮たフキは、箸がすすみ、
夏にはプラムをかじる。
秋にゆで栗をむさぼり、
冬には具だくさんのおみそ汁をすすり
よく味のしみたカボチャの煮ものをほおばる。


それらが3Dの味。わたしにとっては、だけど。



4Dの味。


4Dの話しに戻ると、
まず、口に入れた瞬間、不味い。

例えば、
ヨモギのしぼり汁
カラシナ
・冷えて乾いた白米


ヨモギ(野草)

ヨモギのしぼり汁は、
手作りのジュースにまぜて飲んでみたら、
もう主張が強い。クセがすごい。
じぶん!ここに!います!みたいな。笑

香水のように匂いが強いので、
さすがにダメかなと思ったけれど、

あらら不思議。

だんだんとそのクセが病みつきになってきて
そのクセこそが美味い!ってなるのです。笑
クセがあってなんぼ!の世界が広がるのです。


カラシナ(野草)

カラシナも、
苦い。

荒々しく、苦い。

でも、
それがいい。

河原でつんできた野草だからなのか、
野性的な味に感じる。

自然界のあらゆるキビシさを生き抜いて育つと、
このような強い味になるのだろうか。

白米(カピカピ)

冷蔵庫に入れて
温めなおしていない
カピカピの白米。

口にいれて噛みしめると

なんだかありがたさの塊でしかなくて

感動する味に変わるのである。(これぞ究極の味変では)(そもそもなぜカピカピで食べようとしたのか)



4Dの味は、
立体的でひろがりがあって、
けれど複雑さがなくシンプルで、
けして美味しくなんかない、
美味しいという側面以外の
生命の力としか言いようのないそれを感じさせ、
ここに集中し、
体にうなりをもたらせ、満ちていく。


そんな味。

この味をあじわってしまうと
へたにジャンクに片寄れなくなる。

なのでオススメ。



いつかヨモギ汁入りスムージー屋さんをやろうかな。(勝手にどうぞ)



☕︎ Have a nice day! ☕︎


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