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チョコペンで字、書けますか?

『チョコペンはむずい』


この事実を体感で知っている大人は、
どのくらいいるのだろうか?


こどものころ、
たしかチョコペンを使ったことがあった。
けれど具体的な記憶がない。


わたしは大人だ。
だからチョコペンなんて、
チョチョイノチョイッて、
文字が書けるのだと思っていた。

つい先日までは。


チョコペンと言えども、
ペンなわけだから。
文字が書けないわけがない。

浅はかに、そうかんがえていた。


しかし、何十年ぶりかに握ったチョコペンの先から、
まずチョコが出てこない。


しょっぱな、そこからつまづくのである。
チョコが出てこなければ、話にならない。

必死に両の手で、ぐにににににと握りしめるのだけれど、
一ミリもチョコなんて出てこない。


湯煎があまかったのか。
手に持つ感触は、十分むにむに柔らかいが…。


切ってしまったペン先に、
お湯が入らない用につまようじを突き刺し
ふたたび50度のお湯につける。
お湯が冷めたらまた温めなおす。


けっこう固まりやすいので、
この作業のくり返しが多かったのも意外だった。


手間がスゴい。


これ『チョコペン』なんてポップな名前で販売され、
しかも誰でも手軽に入手でき、
気軽にためせるものとして
世に出まわっているが、

本来これは
迂闊に手を出していいような代物ではない、
とわたしは思った。

これは、
下積み3年は積まないとならない職人の世界で使用される代物だ


職人技の領域でないと、
なかなか手を出してはならぬ。


売ってる場所も、

100均やスーパーマーケットとかではなく、

都内某所の表向きは古本屋さんとかの、
レジでのんびり居眠りしているおじいさんに
「コードXYGPNN875」と伝えると、
目を覚ましたおじいさんの眼光鋭く、
やっと売ってもらえる、というレベルの
代物だと個人的には確信している。


調べてみると、
『チョコペンアート』として
一般の人も
取り組んでいらっしゃる方がいる。
が、やはり“アート”の領域である。
お皿の縁などに、幾何学模様や薔薇の花、キャラクター…。


どうしたらあんなのが描けるのだ。
ソフトタイプのチョコペンで描いているのかな?


さて、たとえ順調にチョコが出始めたとしても、
思ったようには書けないのがチョコペンである。

なので、全神経を集中させて、
1文字1文字書かないとならない。
集中力がハンパナイ。
自分にこんな集中力を宿せる力があったとは。


チョコペンで写経するか、
チョコペン瞑想の第一人者になるのはどうだろうか。
ほんと、写経とか瞑想とかの比ではないくらい、
もうなんの音も耳に入ってこない集中力。

雑念の一切の湧かなさ。
気づくと息をとめている。危険だ。

5分くらいしかたっていないと思いきや、
40分くらい余裕ですぎていた。

ほんと、面白い。


あまりに、1文字書くのさえもむずかしいので、書くのが楽しい。


チョコペンに魅せられて書く。

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出始めの勢いがスゴい。
『ゆ』になってしまうチョコが暴走ぎみ。
『わかめ』という文字にしたのは、ひらがなの中でむずかしそうな『わ』『か』『め』に挑戦したかったから。

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まだちょっとチョコが固いのか、字が細い。

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慣れてきた。

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これは結構いいのでは。
でも、写真では分かりづらいが、表面がツルツルではなくザラザラしているので、わたしとしてまだ納得いかず。

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ドットわかめにしてみたが、不気味になっただけだった。


と言うか、『チョコペンフォント』とか、出来そうだけれども。チョコペンフォント、わたしは可愛いと思う。

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ひらがなに慣れてきたので漢字に挑戦。

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実篤先生。
小さく細かく書けない。字が大きくなってしまう。


絵も描いてみる。

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なんだろう。なんか嫌だ。

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なんだろう。すごく嫌だ。



『わかめ』の山。

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美味しくいただきました。


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