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それを、憧れだとみとめる。

本を何冊か出版している親戚がいる。
年が近く、毎年お盆やお正月に、顔を合わせていた間柄だ。
むかし、彼女は、なにかとお騒がせな子どもだった。いつも機嫌が悪く、お気に入りのぬいぐるみを抱っこして、よく泣いていた。朝は、誰よりも遅くおきてきて、ぐしゃぐしゃの頭でテレビを観ていた。学校にもあまり行ってなかったようで、みんなが心配していた。

わたしは彼女とは真逆のタイプの子どもだった。静かで、あまり自己主張をしなかった。朝は誰よりも早く起きて、きちんとした格好でみんなの前に登場したかった。
そして、いつもみんなの注目の的である彼女のことを、昔も今も、少しうらやましく思っている。

学校をほぼ休まず、真面目に生きてきた(と思っている)わたしよりも、彼女の方がよっぽど人の心を動かす作家になっている。くぅー、浮かばれない。

しかし世の中、なにもしないで成功するなんて、ありえない。きっと、彼女には彼女の、苦労や努力、勇気があったのだ。
書かないと、選ばれないし、書かないと、読まれない。
思ったより遠回りして、手に入れた成功なのかもしれない。

今、考えるべきは、彼女をうらやむわたしのマインドだ。思えば、わたしも幼少期は体が弱く、家族にたくさん心配をかけていた。なんなら今も、家族の協力のおかげで働けている。
まずは、恵まれているところに感謝をすべきだ。

そして、今、わたしはやりたいことをやれているのか?について。わたしって、もしかしたら、今やっていること(仕事)に、根源的な不満や無理があるのかもしれないな。

ほんとうは、子どもの頃から、やりたいことにまっすぐでしかいられない彼女に、心から憧れているのだ。

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