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【実話怪談】生霊の話、およびその祓い方

 ここでは生霊の話を4本。
 結果として、どのケースも、生霊が撃退されている。
 簡単な生霊撃退方法も公開していますので、リアルタイムで生霊に悩まされている方もどうぞ!(笑)

第1話 想い人の下宿をのぞきに来た女子大生の生霊


 私のパートナーである霊感男ツルギは20代前半の頃、強風が吹くと揺れるほどボロい木造賃貸物件に暮らしていた。
 それは、大家の住居である立派な日本家屋の敷地内にある、一階に一戸、二階に一戸の離れで、彼はそれを「ボロ下宿」と呼んでいた。
 おそらく建てられたのは、戦前。
 風呂なしトイレ共同で、ツルギが暮らす二階の八畳一間の家賃は、一か月2万1千円。練馬区、かつ、西武池袋線江古田駅から徒歩圏内としては格安だった。

 一階には、学習院大学の男子学生が暮らしており、歳が近い二人はすぐに仲よくなり、今でも交流がある。
 彼が、この実話怪談シリーズの「名がある怪異、ない怪異」の「鵺」に登場する、タデ君だ(このエピソードは無料公開中)。
 タデ君は、ツルギほど強くはないものの、霊能力がある。

 ある日、ツルギが階下の彼の部屋に遊びにいったときのこと。
 タデ君はいきなり天井の一角を指さし、言った。
「あそこ、なにかいますよね?」
 ツルギは見上げた。
 二人同時に意識したためか、その瞬間、若い女性の胸から上が宙に現れた。
 地味な感じの女性だ。
 天井近くから、少し怒ったような目でタデ君を一心に見つめている。
 ツルギには、それが生霊だとわかった。
 亡霊ならば半透明だが、それは違った。色もはっきりしている。

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