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「正欲」を読んで私はこのように読む前の自分に戻れませんでした

シンプルに言うと、考えたこともないし、聞いたこともなかった未知の世界を知って、その中に没入できる一冊だった。

この本は「多様性」がテーマで、世の中でいう「多様性」はジェンダー、国籍、人種差別とか表面的なことが話題にあがるけど、他にも「多様性」の意味があることに気づかされた。

一番印象的だったのは、
「多様性」を主張している人は、ある意味自分が今までに関わることのなかった、触れたことのない世界を「多様性」とラベリングをしている。だからこそ、本当の意味の「多様性」を知らないっていう部分。(※引用はありません。自分なりに解釈してます。)

このパートを読んで、大学の授業で言われた「多様性で括るな」「多様性という言葉を簡単に使うな」はこういうことだったのかもしれないと気付いた。この本を読む前の自分に「多様性とはなにか?」って問いかけたら「ジェンダー、国籍、人種差別、男女格差」ってさらっと答えたと思う。(教養不足なこともあるけど)
でも読み終わった今は、「多様性」という言葉をたやすく使ってはいけないということが身に染みてわかった。それに未だになんて答えたらわからない。

本の中で描かれていた「多様性」は「性」に関するが多かった。特に、今の自分たちの年代(現在大学4年生)は「自分の行為、性癖、経験値は周りと遅れているのか?周りとずれていないか?」って友達と会話で「確かめ合う」ことが多いからこそ、考えさせられることが多かった。

「確かめ合い」の場として一番わかりやすいのは、飲みの場。アルコールが入っているからこそ始まる、自分の「性」の暴露大会。
「デートの何回目でホテル行っていいと思う~?」「この前やった人にこんなことされてまじきもかったんだけど!」「そういう性癖ムリ~!」「それやられたら興奮する!やばいね!」とか笑い話になる。もちろん、真面目な相談話になる場合もあるが。

これがまさに自分が”少人数”にならないための「確かめ合い」。もう今なんて飲みの場とかで直接話さなくても、SNS上で「確かめ合い」ができる。tiktokとかで流れてくる「S〇X中、女が興奮する男の行為5選」「沼る女の行動は…」とか裏を返せば「確かめ合い」とか「共感」を煽ってる気がする。「みんなこれって興奮するよね?!ね?!」って感じで。正直、それで共感する自分もいる。

急に話の方向性かわるけど、マーケティングでいう「共感」が重要なのは、結局のところ、誰もが孤独で不安を感じているからで、「共感」の先にある「確かめ合い」をしてるのかな~



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