山手線一周の会(下)
こんにちは、だるまです。前回に引き続き山手線の会後半戦を紹介します。
前回の内容
前回(上)の内容はこちらです。
START 巣鴨
注目①原宿・渋谷の駅舎/ホーム改変
注目②新駅・高輪ゲートウェイ
注目③エキナカの王者・東京
今回の内容
注目④高低差の賜物・上野
注目⑤地形!!地形!!上野~駒込
GOAL 巣鴨
今回は地理的に激熱なポイントです。早速見ていきます。
注目④高低差の賜物・上野
東京でお腹いっぱいになり、秋葉原のコンコースにあるガチャガチャの森に迷い込み、山手線ポーチをGETしつつ上野へ。
上野駅はエキナカ施設がきれいになったのですが、それよりも発見がありました。
二重のホームです!!
山手線や京浜東北線で利用していたホームは2階です。その下に、もう一層ホームがあります。
上野駅がターミナル駅であるため、終着点がずらっと並ぶ重厚な1階ホーム。このフロアの存在を初めて知りました。
↑2階ホームから見える1階ホーム
ここで疑問が。上野駅公園口(美術館や博物館へ向かう出口)は3階にあり、山手線などのホームは2階、そしてターミナルは1階、さらに出口も1階にあります。頭がぐるぐる。なぜこんなに重層なのでしょう?
その答えは標高図に!上野駅周辺の地理院地図を見てみます。
断面図も入れた地図がこちらです。高低差がよくわかります。山手線は、武蔵野台地の東端、つまり上野台地に添うようにホームが敷かれているのです。
そのため、台地上にある上野公園は、上野駅の東側からみると3階の高さにあることになります。高低差を生かしたホーム編成に感動しました。
↑地理院地図より引用
注目⑤地形!!地形!!上野~駒込
上野駅を出ると武蔵野台地の東端にそって山手線は進んでいきます。進行方向左側がすべて崖なのです!!熱い!!
↑地理院地図より引用
最も我々が高揚したポイントは田端~駒込間。
ここから西に折れ、武蔵野台地へ突っ込みます。線路のフラットに敷くために堀のような形でくりぬいています。
両サイドが土手になり、土手の上にポツンと一軒家が建っているなど壮観でした。
そのまま藍染側に削られた谷地を通り過ぎ、巣鴨駅はホームが地面より下に。
地形の高低差を無視した線路の敷設工事が行われています。
断面イメージ図
山手線の敷設を地形に沿っているとみて、楽しんでいたのですが、読んでいる本にこのような記述が。
「100年前に敷設された山手線と中央線が、今日の東京の骨格を決めたと思いますが、これらの鉄道網を見てみると、(略) 拡大する人口に対して、どうしたら最も効率よく、ミニマムなコストでネットワークをつくることができるかというところから都市計画が始まったわけです。」
(『建築から都市を、都市から建築を考える』槇文彦より引用)
たしかに、鉄道風景など景観への配慮なくぶっ通していると言ってしまえばそれまでだと思いました。生まれてから当たり前に存在しぐるぐる回っている山手線は、地形を加味しながら武蔵野台地のヘリを進み、できるだけ高低差を生まないように貫かれた「効率的」な路線です。それは工夫がない、やむを得ない経路だとすると、見方が変わってくると思います。
GOAL 巣鴨
ということで最後は1号車の窓に張り付き、地形と高低差に興奮して無事一周を終えました。
前回とまとめると以下のような図になります。
新しさと古さ、人口拡大と人口減少。
約100年間東京をぐるぐる回り骨格を作ってきた山手線はこれからどうなってゆくのでしょうか。
電車を移動手段として捉え、作業や読書に没頭する日もありますが、たまには車窓からの景色を眺めるのも楽しいものです。
かしこ
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