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読書記録20『朝3分間のデカルト』小川仁志

こんにちは、だるまです。9月に入り急に寒くなりました。今回紹介する本は『朝3分間のデカルト』です。

どんな本?

ビジネス・自己啓発書に見えて(だるまには見えなかった)実は哲学入門書。

デカルトの著作から、現代に生きる私たちが生かせる教訓を抽出し意訳した一冊。「1項目3分間で読める」をコンセプトにしてわかりやすくまとめています。

刺さった言葉

小川さんの意訳とデカルトの言葉を載せていきます。

中庸をとっておけば間違いない

「わたしは、等しく受け入れられているいくつもの意見のうち、いちばん穏健なものだけを選んだ」方法序説
「自分の自由をいくらかでも削るような約束は、すべて極端の部類へ入れた」方法序説

選択肢で迷ったときは、真ん中の意見を取り入れましょう、無理はしないようにしましょう、という言葉。

優しいですね。なにごとも「○○すぎ」はよくないということでしょう。


自分で探求しないと面白くない

「もしわたしが若い時からすでに、後になってその論証を探求したすべての真理を人から教えられ、それを知るのになんの苦労もしなかったとしたら、それ以外の真理を知ることはできなかっただろう」方法序説

全部知ったことだけ与えられていたら、学問の楽しさはわからないよねという。何かを自分から、主体的にやってみることは大事です。


自分の物差しを持て

「私も、わずかでも何か確実で揺るぎないものを見出すなら、大きな希望を持ってよいだろう」省察
「私が判断をすることができるのは、私に知られたものについてのみである」省察

『省察』になって、わたしが私になったのがとても気になるだるまです。

この言説から、デカルトが「確実なもの」を求めてそれを拠り所にしていたことがわかります。自分の知っていることしか、知ることができないというパラドクスは学ぶ上でいつも感じます。

無知の知ということでしょうか。


意志力だけは万能

「とくに注意すべきことと思われるのは、意志はきわめて完全で、きわめて大きいので、これ以上完全でより大きい他のものが私のうちにありうるとは考えられない」省察

意志があれば、逆境も抑圧もなんでも打ち返せる!とまではいかなくても、意志によって行動していることがあるかもしれません。

だるまがnoteを今書いているのも、見知らぬ誰かに伝えたいという意志です。

ほかにも様々な言葉が解説されています。何度でも読み直したい一冊です。読んだ状況、心情によって心に響く言葉は違うのだろうと思います。


注意すべきこと

ここまで、ありがたいハッとさせられる言葉たちを紹介しました。
しかし、野谷茂樹著『哲学な日々』にこんなことが書いてありました。

その言葉だけをもてはやすのだとしたら、それは哲学ではなく、哲学の残りかすにすぎない。
哲学の核心はその問題にある。いかに生きるべきか。どうすれば正しい知識を得られるのか。…

言葉から「自分で何を考えるのか」が重要です。哲学は自分の頭で考える学問だから。

野矢茂樹のエッセイも面白いのでおすすめです。

おわりに

さて、今回はデカルトの言葉を現代風に直し紹介しました。哲学を学んでみたいけど難しそう、と思っている方もビジネス書を読む感覚で手に取ってみてはいかがでしょうか。

かしこ

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