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読書記録8『吃音の世界』菊池良和 -抱えている孤独は計り知れないけれど-

こんにちは、だるまです。今日は『吃音の世界』を紹介します。著者の菊池さん自身も吃音で、現在は医師となり吃音外来を開いています。

映画「英国王のスピーチ」を観て

この本を知ったきっかけは映画です。
Amazon prime videoで「英国王のスピーチ」を観ました。現在のエリザベス女王の父親であるジョージ6世のお話です。

ジョージ6世は幼いころから吃音に悩まされていました。兄のエドワード8世が結婚のためにイギリス王室を離れ、国王になった人物です。

吃音を治すために、言語聴覚専門のミスター・ローグとともに鍛錬を重ねます。ジョージ6世とローグは固い友情で結ばれていたそうです。

この映画を観て吃音について興味が湧き、本を探しました。

少しの吃音?

なぜ興味が湧いたかというと、だるまもほんの少し覚えがあるからです。

人前で話すのは苦手ではなく、いたって普通なのですが、頭の回転が早まった時に口が追い付かずに最初の語を連発してしまうことがあります。

「あ、あ、あ、あの」といった感じです。

日常生活で困っているわけではないのですが、ごくたまになるため今回興味深くこの本を読みました。

周囲の容認

詳しい内容は本書に譲りますが、吃音を改善したいというときには周囲の容認が大切だそうです。

本人はどもりたくてどもるわけではないため、周りの人が「どもっているのは悪くないよ」と思い接することが、本人には救いになるようです。

吃音の人が集まる言友会というNPO法人があります。もし、吃音に悩んでいる方がいたら、覗いてみるとよいかもしれません。

ポジティブな孤独とネガティブな孤独

しかし、吃音が原因で自死してしまう悲しい事件もあります。

看護師の方で忙しい現場で吃音を叱られ、仕事ができず、自殺を選んでしまったそうです。

吃音は周りから笑われたり、せかされたり、怒られたり、誰にもわかってもらえないという孤独にさいなまれています。

脱線しますが、孤独にはポジティブなものとネガティブなものがあると思います。

以前『退屈すれば脳はひらめく』で孤独はいいものだ!と述べました。

これは想像力や創造力を養うポジティブな孤独です。

一方、今回の吃音のようなものはネガティブな孤独です。誰にも理解してもらえない、冷笑される、蔑まれるなど負のスパイラルに陥ってしまいます。

だるまは孤独でも平気で、むしろ一人の方が気楽だと言っていましたが、自分が思う孤独は孤独の一側面でしかなく、随分明るいものだったと気が付かされました。

脱線から戻ります。

理解しようとする努力

さて、大多数と違うことをつまはじきにする性質は人間だれしも持っています。吃音は100人に1人いるとされており、みなさんの周りにもいるかもしれません。

そんな時に、必要な姿勢は理解しようとする努力だと思います。

必要以上に干渉せず、先を急がず、話を聞くということが、助けになるとしたらそうすべきです。

人と違うことを認め自信が持てるようになると幸せになれるのではないでしょうか。

かしこ

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