マガジンのカバー画像

読書記録

93
今まで読んだ本、おすすめしたい本の記録です
運営しているクリエイター

#読書記録

読書記録63 2023年5月の本まとめ

就活も研究も全部イヤイヤ期に入っています。 人生楽しみながら生きるって難しすぎないか。 1.『ある男』(2018)平野啓一郎 日本アカデミー賞そうなめで、母も面白かったと言っていたので気になって読んだ。 読み始めたら止まらず、夜中まで一気読み。社会問題を色々組み合わせ、それを物語に昇華させる技術がうまいと思った。(何を偉そうに) 2.『考える教室』(2019)若松英輔 titleでのイベントを書籍化したらしく、またもや好き同士が繋がる。ソクラテス(プラトン)、デカルト

読書記録62 2023年4月の本まとめ

新学期、新しい環境、当たり前のように混乱を極めています。 でもちょっぴり楽しいから良いとします。 読んだ本1.『不屈に生きるための名作文学講義』(2016)大岡玲 本から、著者の内面を見たり、同時代の他の作品との関連を述べたり、とにかく芋づる式の究極系。説明が分かりやすくて、本をただ読むだけで終わらないのがすごいと思った。 2.『三月の5日間』(2017)岡田利規 演劇の台本&説明の本。耳で聞くとそうでもない話し言葉が、セリフとして文字で書かれていると非常に内容理解が

読書記録53 8月の本まとめ

受験生ぶりに一日中勉強を一か月間した。自由に本が読める、楽器が弾けるってなんて幸せなんだ。頑張ったぞー。 読んだ本1.『爆弾』(2022)呉勝浩 直木賞候補作② 試し読みで続きが気になったので。 正義を揺さぶられますわね。 2.『発注いただきました!』(2022)朝井リョウ ゆるゆるで、疲れた頭にちょうど良い。 オードリーのANNに出た回を聴いたからか、なんとなく親近感。 3.『草枕』(1950)夏目漱石 1906年発表 俳句や漢文の教養がなくかなり目が滑った。

読書記録50 5月に読んだ本まとめ【11冊+1冊】

こんにちは、だるまです。流し読みした本が無限に積みあがる今日この頃。感想、書くべし。 読んだ本1.『有頂天家族』(2010)森見登美彦 京都に行ったからには再読。ふはふはの毛玉の物語。一文一文が森見的遊びゴコロに溢れていて、にやにやしてしまう。もふもふかわいい。 2.『本屋、始めました 増補版』(2020)辻山良雄 荻窪の本屋さんTitleの店主が書いた本屋さん開業の記録。出来事や心情を飾ることなく素のまま書き留めていて、とても読みやすい。Titleで『流星シネマ』を

読書記録49 『読んでいない本について堂々と語る方法』ピエール・バイヤール

〈感想〉 本を読んだ、とはどういう状態か考えさせられた。 今まで『本を読む本』をはじめ、「本を読むこと」について考えてきたが、「本を読まないこと」については考えていなかった。 読むことと読まないことの間にはかなりのグラデーションがある。 本を読むこと=善いこと という図式にあまりにも慣れすぎていた。 本を読みすぎることは、自身が本を書く=創造する機会を奪い去ってしまう。 研究が始まって、積み上がる「読むべき本」に恐れ慄いていた時にこの本に出会えて良かったと思う。 以

読書記録48 4月に読んだ本まとめ【14冊】

こんにちは、だるまです。後輩から4年生だと認識されていなかった4月ももう終わります。来月こそ、感想を書きたい。 読んだ本1.『赤と青とエスキース』(2021)青山美智子 本屋大賞2022候補作⑧ 本当にこのタイトル通りの短編が4つとエピローグ。やっぱり美しくて、整いすぎている。恋への憧憬をひたすら研ぎ澄ましたような印象。 2.『星を掬う』(2021)町田そのこ 本屋大賞2022候補作⑨ 2021年の本屋大賞は町田そのこの『52ヘルツのくじらたち』だった。久しぶりに声を

読書記録45 3月に読んだ本まとめ【18冊+4冊】

こんにちは、だるまです。生暖かい春の空気はなんだか寂しいです。 今月は本屋大賞候補作を5冊読み、京都についての本をいくつか読みました。 読んだ本1.『夜が明ける』(2021)西加奈子 本屋大賞2022候補作③ 重さでは今のところNo.1。テレビ業界が出てきたからか、飲み友達の若林正恭の顔がちらつく。日本の現状を、むき出しに描いている。筆者の顔が間近に迫り、訴えかけられているように感じた。 2.『年下のセンセイ』(2016)中村航 若林正恭の『ご本、出しときますね?』で

読書記録44『正欲』朝井リョウ-理解者ぶるのやめようと思った-

こんにちは、だるまです。読書記録を書くか2週間ほど迷った一冊を紹介します。 『正欲』朝井リョウ 今のところ1番面白かったです。(本屋大賞発表まで1か月を切り、あと5冊です。頑張る…!) 朝井リョウは苦手だと思っていた 『桐島、部活やめるってよ』を中学生か高校生くらいに読み、『何者』を高校生の時に読み、ちょっと距離を置いていた作家でした。 別に嫌いではないのだけれど、社会に対する感情が何にも包まれず発露している気がして、青くて若くて、「はいはい、そういう穿った見方して

読書記録43 2月に読んだ本まとめ【20冊+2冊】

こんにちは、だるまです。今月はたくさん読んだにも拘わらず、読書記録を出せないでおります。読んでよかった本だらけでした。『虞美人草』は良かった。また、本屋大賞2022候補作全制覇の道のりを歩み始めました。 それでは紹介します。 読んだ本1.『流星シネマ』(2021)吉田篤弘 こんな文章が書きたいと思った作品。やっぱり心が「澄む」。 2.『恋文の技術』(2011)森見登美彦 猛烈に手紙が書きたくなります。 3.『脱住宅』(2018)山本理顕・仲俊治 4.『地域社会圏

読書記録42『街場の文体論』内田樹

こんにちは、だるまです。 突然ですが、誰に向けてnoteを書いていますか。 内田樹は、最終講義のなかでこう言います。 最後の最後にこう締めています。 つまり、受け取り手を想定しなければ、届かない。 本当に伝えたいことがあるのであれば(ここが重要だと思いますが)、誰かに手紙を書くように、「お願い、言っていること分かって」と揺さぶるような言葉でないと届かないということです。 だるまは漫然とnoteを書いていることもあるので、ちょっぴり反省。 このnoteで伝えたいこ

読書記録41 1月に読んだ本まとめ【15冊+4冊】

こんにちは、だるまです。 2022年も本を読んでいきます。1月は当たり前と思っていた前提がガタガタと崩れていった月でした。 読んだ本1.『華氏451度』(2021)レイ・ブラッドベリ 1953年発刊。新年1発目、いい本を読みました。 2.『会って、話すこと。』(2021)田中泰延 ほぼ共著者である編集者の今野良介さんにスキをいただけてありがたい限りです。 3.『紙の動物園』(2017)ケン・リュウ 中国、日本、アメリカの混ざった歴史SF短編集。ファンタジーなのに心

読書記録40『ザ・万歩計』つべこべ言わずできることをやる

こんにちは、だるまです。前回のnoteで約束した通り、万城目学のエッセイを主役にした記事です。助演男優賞からの主演男優賞おめでとう! 森見登美彦と万城目学と紹介する本は万城目学の『ザ・万歩計』です。 万城目学は『プリンセス・トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』を読んだくらいで、エッセイは読んだことはなかったです。 それでも彼の存在感が大きいのは、森見登美彦と仲がよろしいから。 年始のはてなブログでは、森見登美彦が愛する「コウペンちゃん」に対し、「僕はペンギンなんだペン!

読書記録39 ざ えっせい ‐面白いエッセイとは‐

こんにちは、だるまです。淹れた珈琲が美味しくてにんまりしています。お湯を少し冷まして、ちょろちょろと注ぐ時間がたまらなく好きです。 珈琲といえば、アマゾンプライムで観ている『珈琲いかがでしょう』。なぜ観ているかというと、中村倫也が好きだからです。すごいファンというわけではないです。「水曜日が消えた」は観ました、「凪のお暇」は観たい。 そんな中村倫也のエッセイ集『THE やんごとなき雑談』と、翌々日に読んだ万城目学の『ザ・万歩計』を引き合いに、エッセイとは?を考えていきます

読書記録38 ディストピア小説は予言書なのか

こんにちは、だるまです。2022年が2週間たったところで、ようやくまとめが終わりました。 新年初読書『華氏451度』新年1冊目読了は『華氏451度』レイ・ブラットベリでした。 2022年初めに読んで、名著はやはり名著だと実感しました。 あらすじ というような内容です。『1984年』のテレスクリーンに似た「壁」が登場し、雰囲気もどこか似ています。 5つの名言 物語の本筋も面白いのですが、何より名言のオンパレード。 付箋を貼っていったら大量にぴょんぴょんすることになり