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読書記録

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今まで読んだ本、おすすめしたい本の記録です
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記事一覧

読書記録81 2024年7月の本まとめ

修士論文の中間発表が終わり、ようやく夏休みに突入です。開放感! 7月はあまり本が読めませんでしたが、良い本に出会えました。 1.『月まで三キロ』(2018)伊与原新 「あの本、読みました?」の理系作家特集回でインタビューに答えていた作家の本。番組内で紹介があり、「月は地球からだんだん遠ざかっている」という話が神秘的に感じて読んでみた。6つの短編全て、地学や物理学などの知識がベースになっていて、家族などの人情が加わっているのでとても読みやすかった。全然知らないことばかりで

読書記録80 2024年6月の本まとめ

2週間風邪をこじらせ、治った後も研究や運動や免許取得にいそいそ励んでいたら今月はあまり本が読めなかった。 古典に挑戦し始めると言いつつ、100分 de 名著ブックスから抜け出せない。 1.『親愛なる八本脚の友だち』(2024) シェルビー・ヴァン・ペルト 小説ってやっぱり面白いなあと思う。 文庫本で結構な厚みがあるのだが、夢中で読んだ。マーセラスという水族館のタコと、トーヴァという70歳の清掃員、後任の30歳のキャメロン。ちょっとミステリーの要素もありつつ、タコと人間の視

読書記録79 2024年5月の本まとめ

古典を読みたい!の宣言通り、今月はかなり古典、の入門編を読んだ月です。 まだまだ原著には辿り着けないので、6月こそ挑戦。 1.『私たちの想像力は資本主義を超えるか』(2023)大澤真幸 フラヌール書店でつい買った。一瞬売りに出そうと思ったが、読み切ってよかった。 『おそ松くん』『おそ松さん』から、ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が紐解かれ、「ベルーフ」の概念について学べる。 『君の名は。』から、恋愛の描かれ方や都市と地方の考え方、共同体の概念が読

2024年は古典を読みたい|読書・教え・哲学編

「古典が読みたい」後編です(前編)。 齋藤孝の『古典力』と駒井稔の『編者者の読書論』から読みたいと思った本を紹介しています。 今回は物語以外のジャンルです。 読書案内 「楽しんで読める」を第一に考えて書かれた本で、古典に対する襟を正すような態度を緩めてくれるそうです。 傑作とされていても面白くない本があることを、明快に表明していて清々しさすらあります。 乱読を戒め、教養に向かうには「世界の文学作品を地道に読むこと」と古典への道を拓いてくれている本だそう。 読書で他人の

2024年は古典を読みたい|物語編

こんにちは、だるまです。 最近「古典熱」(=古典が読みたいという熱い気持ち)が高まっています。 来年から社会人になるため、自由でダラダラできる時間も残りわずかということで、せっかくなら古典を読もうじゃないかと決意。 まずはどんな本があるのかと、 齋藤孝の『古典力』と駒井稔の『編集者の読書論』を読んでみました。 そこで紹介されていて、読んでみたいと思った本をまとめたいと思います。 *長くなったのでいくつかの記事に分けます。今回は物語編! 物語 源氏物語関連の本はいく

読書記録78 2024年4月の本まとめ

一昨日、不忍ブックストリートの一箱古本市に行ってきました。だるまもいつか出店してみたい。 1.『いちばんすきな花シナリオブック完全版<下>』(2023)生方美久 一気に5話分読んでしまった。脚本を読むとドラマの映像がよみがえる。 2.『小さいノート活用術』(2020)髙橋拓也 再読。読んで忘れていたフォーマット(逆算タスク)で研究発表までの計画を立てることができた。計画を立てなかったらずるずると何もやらずに時間だけが過ぎていくので危なかった。一回目に読んだ時に小さいノ

読書記録77 2024年3月の本まとめ

新年度が始まりました。大学院2年生、大学院も折り返しで震えております。 先月読んだ本を紹介します。 1.シャーロック・ホームズの凱旋(2024)森見登美彦 待望の新作。 森見登美彦自身がスランプに陥ったのをワトソンとホームズに仮託している入れ子構造。ヴィクトリア朝京都と「ロンドン」も天地あべこべになっていて、『熱帯』『四畳半』を思わせる森見登美彦お得意のパラレルワールド。創り上げた「ロンドン」から抜け出して戻ってきた「ヴィクトリア朝京都」もまた創作であり、さらにそれを読

読書記録76 2024年2月の本まとめ

毎月の投稿連続記録達成を逃してしまい、結構悲しい。 オードリーANN in東京ドームの感想を書こうと思っていたのに。 過ぎてしまった時間は仕方ないので、先月の本まとめです! 図らずもオードリー関係の本が5冊中2冊も。 1.アフタートーク(2021)石井玄 ニッポン放送のオールナイトニッポンを聴いている人には多分お馴染みの、石井玄さんの本。私が聴いているオードリーや佐久間さんのANNも担当しているし、オードリーのANNin東京ドームも陣頭指揮しているし、ラジオで引っ張りだ

読書記録75 2024年の1冊目が『モモ』でよかった

本を紹介する本で、たびたび登場していた『モモ』。名作と分かっていながら、ずっと読む機会を逃してきた。 今回、2024年の最初に読むぞ!と意気込んで図書館で予約をしたのだった。 本を読んだ後のイメージをイラストにしてみた。 図書館では子供コーナー(YAコーナー)に配架される『モモ』だが、大人こそ読むべき本なのではないかと思った。 「時短術」「効率的」はてには「24時間を増やす」テクニックまで、さまざまな時間に関する本が売られているが、時短した先に何が待っているのだろうか

読書記録74 2024年1月の本まとめ

今年4冊目に読んだ本の影響で、SNSから撤退することを心に決め、X、Instagramは全く見なくなりました。そしてこのnoteも月1回の投稿をするだけにして、毎日見る癖をやめました。 なんとなく気持ちスッキリ!な気がします。 いいと思うので、続けられそうです。 では、本年最初の本まとめ。 1.『モモ』(2005)ミヒャエル・エンデ 1973年初版。名著名著と言われ数々の本紹介で紹介されていた本を2024年一発目に読めた。非常に非常に読んで良かったと思う。 時間がない

読書記録73 12月の本まとめ

こんにちは。今月も変わらず本のまとめです。 2023年の本まとめもしたいなと思っていたらいつの間にか大晦日。 今年はただ本を並べるだけじゃなくて色々工夫をしたい!ということで、 2024年の福袋として、ちょっと編集してお届けしようかと思っています。 とりあえず今月の本まとめ。 1.『平安貴族サバイバル』(2022)木村朗子 源氏物語にハマりつつあり、図書館で借りた本。源氏物語を中心に、他にも落窪物語や栄花物語など平安期の作品から平安貴族の生活や常識を読み解いていく。源

読書記録72 11月の本まとめ

11月は旅行や出張が多く、刺激が多い月でした。 読んだ本は少なめですが、充実した1ヶ月でした。 今年もあと1ヶ月にしては暖かい日々ですが、変わらず本を読んでいきます! 1. 『みちこさん英語をやりなおす』(2014)益田ミリ 最近英語の勉強をやり直していて、形容詞とか副詞とか何も考えず「とりあえずそういうこと」って思ってスルーしてたことに気がついた。丁寧に勉強するのもいいなあと思ってきた。そんな時に、色々つまずいてたくさんの疑問を持つみちこさんの本を読んでまさに同じよう

読書記録71 10月の本まとめ

だいぶ秋だなと思ったら、もう11月でびっくりしています。夏、長すぎでは? 読書の秋ということで、たくさん読めたかというとそうでもないですが、「忙しい」と「ムダな時間」について色々考えました。 1. 『声が通らない!』(2020)新保信長 居酒屋で最近大きな声を出せるようになったものの、ずっと店員さんに気づいてもらえなくてドキドキしていた。同じく声が通らないお悩みを抱える新保さんが、声に関するHOWTO本やボイトレ、いい声の人へのインタビューをしてまとめた本。声を通るよう

読書記録70 9月の本まとめ

9月は色々あって振り返りが間に合っていない。インターンに行ったり休んだり旅行に行ったり夏休みを楽しみました。 1. 『東大教授が教える知的に考える練習』(2018)柳川範之 インターンに参加して「自分の頭で考える」ことをいかに今まで怠ってきたかを実感したので。本に頼っているあたりで、「自分の頭で考えて」ない矛盾に陥っている気がするが、ひとまずの足がかりとして。日常生活の中で、問題意識のとげとげを持ちながら、そのフィルターに情報を垂れ流しにしておくことが必要だということだそ