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ボゴタ空港ラウンジ そして蛇腹の犬

36. ボゴタ空港 ラウンジそして蛇腹の犬
 
 歯ブラシのない日々がこんなに気持ち悪いものだとは思わなかった。とうとうボゴタ空港内のドラッグストアで2本入り8ドルという高額な歯ブラシを不本意ながら買ってしまった。VIPラウンジで歯を磨く。時計を見るとまだ次のフライトまで5時間以上ある。「シャワーを浴びたい」と係員に言うと、ふかふかタオルとシャワー室の鍵を貸してくれた。熱いシャワーでさっぱりする。キンキンに冷えたスパークリングワインを1杯飲む。

42.アビアンカのラウンジ食事


 ラウンジビジネスセンターの個別ブースでPCに向かい、バルセロナの観光チケット手配をすることにした。明日到着後すぐだと予想外のことが起きるかも知れないから、明後日の正午ごろのサグラダファミリア入場を予約した。

ボゴタ空港 ラウ

 世界一周堂の小林さんからメールが入っている。旅行の終盤インドとアンコールワットの細かい打ち合わせだ。その他仕事メールの返信や、これまでの旅行の資料やレシート、マイクロSDカードの仕分けなどを片づけていたら搭乗時刻になった。電光掲示板で確認したら、私の乗るアビアンカ機の出発は少し遅れる上に、チェックインの時に案内されたのと違う搭乗口に変更になっているようだ。ラウンジはこういった確認を落ち着いた雰囲気の中でできるから有り難いなあ。

    アビアンカの機内食 肉はナイフで切れないことが危惧されるのでサーモンをチョイスした。

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アビアンカのCAたち。ラテンな感じでワイワイ明るい。

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    ふたつびっくりすることがあった。

びっくりその1
    最終搭乗口から入り、蛇腹の通路を進んで、カーブを曲がったらもう飛行機に乗るという直前で「ルーシー GO AHEAD!」「BOW!」の声。なんと麻薬犬1匹と警察官が5人立っていたのだ。ルーシーは私のかついだリュックに鼻を近づけクンクンしている。やばい、嗅ぎつけられてしまった。中には歌舞伎揚げの残りが入っているのだ。しかし何という所で検査するんだよ。警察官の服装は迷彩色のほぼ軍服で、鍛え上げた身体が眩しい男4人女1人、みな眼光が鋭い。重そうなライフルは今にも発砲しそうだ。シャワー会社の社長によってイメージがちょっと軟化したコロンビア共和国だが、やっぱり麻薬密輸組織のアクティブな国なんだなあ。

びっくりその2
 ルーシーに赦していただき機内の人となった私。バルセロナまでの11時間フライトでぐっすり休む準備を座席でいそいそとしていた。ぞろぞろ乗ってきたエコノミークラスの乗客が通路を後方へ歩いていく。

あび

 突然中年の小柄な女が立ち止まり私の顔を覗き込んで鼻先に指を突きつけて怒り始めた。「エスト… ノー… ……ウステ… ムーヴ!」(おそらく、ここはあんたなんかの席じゃないわよエコノミーに移りなさい、みたいなこと言ってる。)「ノ プエデ……エスパニョー…はっ!!」(なによあんたスペイン語分からないの?ばーか!と言っているのかな?)剣幕が凄くて唖然としてしまった。ちょっと反省したのは、私はこの旅でなるべく貧乏人に見えるようにボロボロの服ばかり着ていたのだ。それでバルセロナに到着した後、ボロ服は3枚捨てた。この怖い経験のせいでこの後のフライトでは乗機時に、エコノミー客が全員通り過ぎるまで窓の方を向いてピローを顔に当てて視線を合わせないようにしていた。

42.アビアンカ機内

 さて、シャンパンを飲んだら大西洋ひと眠り。明日からはヨーロッパだ。


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