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日本が戦争をやめていない世界線、みたい

きっかけはTik Tokでした。おすすめで流れてくる動画を流し見していたら、どこの誰かも知らない配信者さんが勧めていたのが村上龍さんの「五分後の世界」という本でした。

思えば、僕にとって村上龍さんといえばカンブリア宮殿に出ている人であり、小説家であるということは知ってはいても、作品に触れたことはありませんでした。それもあり、興味が湧いてきたので地元の図書館で探してみると、ありました。これは読んでみるしかない。

主人公の小田切は突然前触れもなく別世界に迷い込むのですが、そこは第二次世界大戦から続く戦争状態が継続している世界線の日本だったんですね。それを知るまでの経緯などはめんどくさいので端折りますが、日本はゲリラのような戦いを継続しているわけです。

ネタバレを防ぐためといえば格好はつきますが、本音を言うと独特の世界観過ぎて読み終わった今もうまく説明できる自信がないので、戦争状態を継続している日本がどのような場所として描かれていたのかは割愛します。人工は数十万人に減っている、という設定みたいです。ただただ、この世界観をよく思いついたなと感心するばかりです。

結局、この物語は「なぜ異世界に迷い込む事象が起こったのか」「日本が交戦状態を継続する理由はなにか」など諸々の謎を解決しないまま終わります。ただ、中盤の頃にこの世界の首脳部がシミュレーションした「大戦に降伏した場合の日本」というのが、要は現在の日本の姿をそうはならなかった人たちの目線から捉えたものというか、まぁこれも説明が難しいですね。なんせスッキリは終わりません。戦争を知らない世代の小田切が、戦争が継続されている世界で生き延びていく様子が一貫して描かれています。で、例えとしては良くないかもしれませんが、打ち切り漫画のラストページのような感じで終わっていくのです…。

謎は解決しないままのなんとも言えない読後感。あと、文字数多め。このへんの条件把握した上で、読んでみたい方は是非どうぞ。

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