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『バーチャル世界でモテ要素は可視化される?』~【新しいWeb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.8.15

■“Z世代の三高”を考えてみた―バーチャル世界でのモテ要素は、「高スコア・高ランク・高コミュ力」?

外見は見えず、分かるのは声だけという刹那的な出会い―そんな中で、どんな人が“モテる”のか。今回は、Z世代且つ女性である筆者の考えも交えて、ゲームにフォーカスした「Z世代の三高」について考えてみました。

バーチャル世界でのモテ要素、時代の変化とテクノロジーの変化で今はどうなっているんでしょう?

”モテる”ことの重要度が変化している気もしますがそれは今回置いておいて、メタバースが一般化しつつある現代から近未来のモテ要素について考えてみたいと思います。

この記事では「ゲームにフォーカスしたZ世代の(男性の)三高をZ世代の女性が考察」というポジションから書かれています。つまり女性にモテる男性像が軸です。


■基礎情報の整理(Z世代、三高、三低、三平)

この記事の中に出てくる用語の定義を整理しておきます。

Z世代

Z世代とは、1996〜2010年生まれの世代(現12歳〜26歳 ※2022年現在に合わせて修正)のこと。 ソーシャルメディアやスマホ時代に育ってきたソーシャルネイティブの世代だ。 このZ世代には、「社会人1~3年目と大学生」「高校生」「中学生」と3つの階層が入り混じっているが、Z総研では、アルファ世代とも呼ばれる中学生は対象に含めていない。

【レポート】Web担当者Forumミーティング 2022 春


三高

(この記事中ではバブル時代のモテる男性像を指す)

「高学歴」、「高収入」、「高身長」の男性のこと。1980年代末のバブル景気全盛期に、女性の主流層が結婚相手の条件にこの三高を求めた。流行語俗語ともなっている[1]

Wikipedia「三高」

三低

三低(さんてい)とは、結婚の際に条件となる3要素「低姿勢・低依存・低リスク」の略である。

低姿勢 女性に対して、また全般に丁寧・威圧的でない等の真摯な態度、女性やほかのひとを尊重する姿勢。
低依存 家事や身の回りの諸事をパートナーに頼らない。
低リスク リストラや事故・事件等に巻き込まれることの少ない職種および、手に職(スキル)や資格免許を持っている。危険に挑戦することを回避し、人生何事も穏やか第一で、良い意味で事なかれ主義を通せる人。(例:教員公務員職人

Wikipedia「三低」

三平

2012年頃は平均的な収入・平均的な見た目・平穏な性格の3つを兼ね備えた男性のことを【3平】と言い、理想だとされるようになった時代もありました。

https://www.withsmile.yokohama/blogs/post_41.html


以下、記事中には登場しませんが関連用語として

3C

3C(さんシー)とは、心理学者の小倉千加子が提唱した、バブル崩壊後から平成初期までの日本で、女性結婚相手に求めている条件を表す言葉。(中略)バブルの崩壊を受けて「高望みはしないけれど、これくらいは望みたい」という、バブルの夢から覚めた現実路線に「comfortable(十分な給料)」「communicative(価値観が一緒)」「cooperative(協調的)」を意味する[2]

comfortable・・・「快適な」だが、意訳すると「充分な給料」。今の生活水準を落とさないで、子育てができる程度。一般に年収700万円以上。
communicative・・・「理解しあえる」だが、意訳すると「階層が同じかちょっと上」。価値観やライフスタイルが一緒。
cooperative・・・「協調的な」だが、 意訳すると「家事をすすんでやってくれる」。

Wikipedia「3C」

3K

2010年のアクサ生命保険の調査によると、女性が求める結婚条件の1位から3位はそれぞれ「価値観が合うこと」「金銭感覚が一致していること」「雇用形態が安定していること」であり、この3つはその頭文字から「3K」とされている。

Wikipedia「三高」

Z世代などの世代分類も三高など結婚条件も、「そういう類型の人が実際にいるか・多いのか」と四角く考えるのではなく世相や時代感を表した言葉だと捉える方が適切です。


■記事中の、インターネットと共に育った「Z世代」の三高

この記事中では

◆高スコア―俺より強い奴に会いに行く
◆高ランク―没頭する姿の魅力
◆高コミュ力―初対面での会話スキル

の「三高」を挙げています。

高スコアは瞬発的に叩き出す「巧さ」を表し、高ランクは長期間かけてアカウントを育成する「ハマり度」を表します。

ゲームヲタクならこの2つは自ずと高い数値になりがちですが、高コミュ力を掛け合わせることが今のゲーム環境っぽいところです。

昔のイメージ「ゲームヲタクはコミュニケーション下手」は最近のFPSゲームやMinecraftのようなサンドボックスゲームでは当てはまらず、コミュ力が高くないとゲームで活躍できません。むしろコミュ力がゲームで鍛えられます

見ず知らずの人と瞬間的に仲良くなる能力、海外の人とやり取りできる言語力、姿が見えず声の良さや話し方だけで人間性が伝わるラジオ的影響力、アバターを魅力的にセットするファッションセンス、これらをひっくるめて「高コミュ力」と捉えられます。

「高コミュ力」は直接的には数値化されませんが、ランクの高さやフレンドの人数、ギルドやDiscordコミュニティ内のポジション、SNSのフォロワー数などに現れるはずです。

結局コミュ力が高いとモテるよね。
だと面白くありません。今回の記事でユニークなのは、高スコア・高ランク、そして間接的ですが高コミュ力もすべて数値で可視化されると捉えていることだと感じました。

つまり、”モテる”の可視化であり定量化・数値化がなされる時代が来たよ、という仮説です。


■古来からあるバーチャルな出逢いは演技力勝負だった

メタバースという言葉がなかった遥か昔から、顔の見えないコミュニケーションの中で相手の人となりを読み取り、中には恋愛や結婚に発展することはよくありました。

文通、パソコン通信、電子掲示板、mixi、ソシャゲ、SNS、そしてこの記事中に登場するFPSオンラインゲームにメタバース。最初の出会いがバーチャルだというのは今に始まったことではありません。

しかしこれらバーチャルな出会いで必要だったのは数値ではなく、「コミュ力」という雰囲気モノでした。

加えて「演技力」もコミュ力の重要な要素でした。
実際の自分とは異なるキャラクターを演じることで意図的にモテる状態を作ることができました。掲示板などに書かれる内容も本当かどうかわかりませんが、出会いのフックとして魅力的な嘘を書く人も多くいました。この嘘も演技のひとつです。

最終的にリアルで「出逢う」ことを目的にしている場合、あまり実像とかけ離れた演じ方をすると後から困るわけですが。


■バーチャルファーストな時代では「誠実」「正直」「素直」の3Sが重要

しかしこれから先、Z世代なのかさらに若いアルファ世代なのかの時代では、コミュ力の裏付けとして数値やエビデンスが必要になりそうです。

高スコア、高ランク、たくさんのフレンド、コミュニティ内の評価値、所有しているNFT、オンラインでの行動履歴のSoulboundトークン、なんならウォレット内の暗号資産の所有量や取引相手なども全部可視化することが可能です。

人間の魂同士でコミュニケーションする真にユニバーサルな世界がメタバースの魅力だと言われていますが、かたやで全く偽ることができない数値とエビデンスで評価される世界も目の前にあるようです。

かつてバブル期の三高なども数値が重要でした。が高望みの方向でした。しかし最近の傾向は「誠実」「正直」「素直」の3Sが好まれているなぁと感じます。(3Sは今勝手に作りました。)

メタバース上ではアバターとコミュ力でなんでも演じられますが、数値とエビデンスで可視化される世界も同時にやってくることを考えると、バーチャルファーストになればなるほど一層この3Sが重要になるんじゃないかと思います。

恋愛や結婚だけでなく人間の生き方として3Sが必要で、3S高めの人が結果的にリアルでもバーチャルでもモテる、そんな時代になるのかな、と思います。

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