『「給与デジタル払い」の向こう側に日本での暗号資産の普及があるかもしれない』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.9.11
■給与デジタル払い、23年春にも解禁 政府が最終調整
つまりPayPay、LINE Pay、楽天Pay、PayPalなどで給料を受け取れるようにしよう、という制度変更です。
個人的には現金をほぼ使いません。地域や年代、働く業種によって差が大きいとは思いますが、今や現金を使わない、現金なお店を避ける、現金だと困る、という人も相当多いんじゃないかと思います。
そんな人たちでもクレジットカードの引き落としがあるし現金もさすがにゼロにはできないので、全額〇〇Payで受け取るわけにはいきません。
クレカがあれば〇〇Payをチャージする手間はないですし、給与の銀行振り込みと併用して一部〇〇Payとするなら会社の事務手間が増え、場合によってはポイント交換の手数料分が目減りしないとも限りません。
給与デジタル払いを希望する人は既に〇〇Payのヘビーユーザーでしょうからキャッシュレス普及には寄与しないはずです。
つまり本質的なニーズがない制度に見えます。
それでも日本政府が給与デジタル払いを導入しようとする意図と効果はどこにあるのでしょうか?
その理由を掘っていくと暗号資産が世界の課題を解決しようとしている方向性と重なる部分が見えてきます。
■政府が給与デジタル払いを導入する意図は?
このサイトでは上記のように想定していますが、おそらく最大の狙いは2番「外国人労働者の受け入れ拡充に向けた施策の一環」じゃないかと思います。
前述の通り日本人の場合、一部だけ〇〇Payに給与振り込みしてもらう動機もメリットもほとんどないはずです。
また〇〇Payの口座は労働者本人のものであることを証明することが難しい場合があります。悪用すれば給与の一部を他人に振り込む格好にもできます。
そんな弊害があっても給与デジタル払いを導入しようとしているということは、つまり日本人向けの政策じゃないと見ています。
■外国人労働者のUnbanked問題対策
日本人の労働人口がこれから減り続けるため外国人を受け入れたい。しかし日本国内に銀行口座を持っていない・持てないケースがある。限定的ながらUnbanked問題があります。
〇〇Payは必ずしも銀行と接続する必要はなく、コンビニチャージなどでも使えます。
給与を直接〇〇Payに振り込むことが許されれば、銀行口座開設ができず外国人の労働力受け入れできない問題がかなり解決されます。
ただし、外国人労働者は〇〇Payで受け取ると出身国に送金することが困難です。仕送り目的が叶えられなければ日本で働かないという人も多いのではないでしょうか。
■暗号資産なら海外送金も早く・安く・どこへでも
Unbanked問題の解決に加えて海外送金の問題を解決するなら暗号資産はうってつけです。
ウォレットは誰でも自由に作れますし、暗号資産の種類によっては手数料がほとんどかからず海外送金がいつでも(ほぼ)確実にできます。
一足飛びに暗号資産やトークンでの給与支払いに行くのは全く無理ですが、もしJPYCが資金移動業者となり給与デジタル払いの対象になった暁にはPolygon ETHにSwapして海外送金も楽々→外国人労働者にJPYCが大人気、という世界線が待っているかもしれません。
※現在のJPYCは資金移動業者ではないので今回の給与デジタル払いの〇〇Payの対象外です。でも今回の給与デジタル払い制導入を契機に本当に資金移動業者になったりすると日本人も給与をJPYCで受け取るブームが来るかもしれないな、と思ったりもします。
上記記事でも取り上げましたが、移民問題を起こさずに海外から労働力を得るにもweb3はうってつけです。
日本でweb3産業が立ち上がれば、海外にいながらプロジェクトに参加し報酬を得る外国人も増えるはずで、その時の報酬の支払いもトークンだと送金が楽。他の産業でもトークン払いはニーズがあると思いますが、まずはweb3業界からでしょう。
請負発注なら今でもトークン払いは双方合意でできますが、雇用による給与支払いも今後増えるはずです。海外の銀行に法定通貨を送金するのは非常に大変なので、暗号資産での給与支払いはCBDCやステーブルコインを中心に視野にあるんじゃないかと妄想してしまいます。
■給与デジタル払いはweb3の国家戦略化の手始めか
・給与デジタル払い導入は外国人労働者の受け入れのため。
・直近に法改正するトークン発行の未実現利益課税問題の解消に留まらず、将来は給与支払いや納税のトークン化にも対応するつもり。
・真の目的は、暗号資産やトークンを世界一扱いやすい国にしweb3投資マネーと世界中の人材を日本に呼び込むこと。web3を日本の最重要成長産業に位置付けるという国家戦略に基づいている。
と考えると都市伝説っぽすぎますか?(笑)
でも案外ない話じゃない、ような気がしています。
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