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『OpenSeaの二次流通ロイヤリティ問題を正しく理解する。本当に大事なことは?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.11.8

■OpenSea、NFT作成者への手数料制度を見直しへ有識者からは反論の声も|決断迫られるNFT業界

昨日は「OpenSeaのNFTの二次流通ロイヤリティの仕様変更」の話題で持ちきりでした。

上記のニュースは現時点で「coinpost Japanの中で一番読まれている記事」というマークがついているくらい注目されています。この記事では

11月9日午前2時(日本時間)以降、新規NFTプロジェクトがオンチェーン上のエンフォースメント(執行)ツールを導入しない場合、OpenSeaで取引されてもクリエイターフィーを設定することができなくなる

と、OpenSeaがNFT取引の二次流通ロイヤリティをなくすかのような表現から始まることもあり、「SudoswapやX2Y2のようなロイヤリティゼロのNFTマーケットプレイスに取引量を奪われつつあるOpenSeaもロイヤリティゼロ化を決定した」と捉えた人が多かったようです。

おかげでTwitter上では大騒ぎになり一時OpenSeaというワードがトレンド入りしていたほどです。

しかしどうやら誤解のようです。
OpenSeaはむしろ、NFTの二次流通ロイヤリティを維持しようとしています


■ロイヤリティをクリエイター自身が設定する

ジョン@お金拾いさんのこのツイートが個人的には一番納得感がありました。

・二次流通ロイヤリティはNFTマーケットプレイスが決めるのではなくクリエイター自身が決められるようにすべき。

・オフチェーンでユーザーの任意でロイヤリティを払うかを選択式にしても8割は払われなかった。オンチェーンでロイヤリティも自動・強制実行される必要がある。

・オンチェーンでのロイヤリティ強制実行が反映されるのは新たに出品されたものだけ。過去の出品分については対応が難しいので後日また対策を考える。

・オンチェーンのロイヤリティ強制実行が設定されたNFTはロイヤリティゼロ設定のマーケットプレイスでは販売できないようにする。
=SudoswapやX2Y2では流通できずOpenSeaにNFTと顧客を取り戻す施策?

と、当初の捉えられ方

「SudoswapやX2Y2のようなロイヤリティゼロのNFTマーケットプレイスに取引量を奪われつつあるOpenSeaもロイヤリティゼロ化を決定した」

とは真逆であることがわかると思います。


■投機マネーに依存せず実需とユーティリティを極める必要性

9月5日の記事にも書きましたが、

NFTプロジェクトが目指している理念や活動自体が生み出す価値をいかに高めていくかが重要。OpenSeaが設定した二次流通ロイヤリティという仕組みを大前提に収益を組み立てても、プロジェクト参加者・NFT市場参加者が投機家ばかりではロイヤリティゼロ化の圧力に負けてしまいます。

と、NFTの実需やユーティリティが乏しく投機マネーでの値上がり期待しかなければ、ロイヤリティが設定できたとしてもNFTプロジェクトが目指した理念は叶えられないでしょう。

マネー供給は重要なのですが、本当に欲しいのは短期トレードの投機マネーではなく応援目的の長期マネーです。それがこれまでのNFTに投じられるマネーでは混在していました。

そのため投機マネーに純化したロイヤリティゼロのNFTマーケットプレイスが登場したわけです。

逆に、長期の応援マネーに特化するためのNFTマーケットプレイスも登場すると予想しています。強いNFTプロジェクトは

プロジェクトの参加メンバーがいる場所そのものが上記の「専用マーケットプレイス」です。

中央集権的で閉じた狭い世界、ということではなく、売買する以外の機能もすべて持ったリッチサービスプラットフォームになっていくと捉えています。

とOpenSeaに頼らない独自・専用マーケットプレイスに移行して、売買以外の機能・サービスも提供するプラットフォームになっていくだろうと予想しました。

CryptoNinja Partners(CNP)では独自のNFTマーケットプレイスを構築準備中とのことです。

売買以外のユーティリティ、たとえばよくある「このNFTを持っている人だけが〇〇できます」のユーティリティもセットで簡単に提供できるNFTマーケットプレイスがあれば、NFTを長期で持ち続けるメリットを作りやすくなります。

今回のOpenSeaの仕様変更でNFTの二次流通ロイヤリティを改めて考えるきっかけにはなりました。二次流通ロイヤリティそのものの是非というより、NFTが投機売買益以外のユーティリティを持つことの重要性に議論が向かえば、NFTの一般普及がより早く確実になると思います。

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