【短編小説】おしゃべりの時間
「私カオリ。あなたはどうして、そんなところにぶら下がっているの?」
「それはね、揺れるのが好きだからさ」
「あなたはどうして、そんなにもしわしわなの?」
「それはね、たくさんの苦労を経験したからさ」
「あなたはどうして、そんなにも毛むくじゃらなの?」
「うーん、素顔を見せるのが少し恥ずかしいからなのかもしれないね」
「ふーん。あなたはどうして、そんなにも強いにおいを放っているの?」
「それはもちろん、敵から身を守るためさ」
「ねえ、さっきからそんなに縮こまって。どうかしたの?」
「だって……君があまりにも美しいから、緊張してしまうんだよ」
「あなたって……」
「なあカオリ、そろそろ俺のキンタマに話しかける遊びやめないか? もう今年35だろ」
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