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森合れい
2023年11月16日 00:04
あなたの腰の上で大股開いて踊ったあの夏の夜。「もうそろそろ終わりかな、花火」 わたしの下で寝そべるあなたは言った。その瞬間、外から打ち上げ花火の音が聞こえてきた。それまでは聞こえなかったのに。あなたの声しか聞こえなかったのに。「観に行けばよかったね」 わたしの言葉にあなたは「うん」とつぶやいた。 わたしはあなたを殺したいと思った。殺そうと思った。だから殺した。こころの奥底で。殴って殺し