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ギフテッドな彼女ーー『オードリー・タンの思考』を読んで

 近藤弥生子著 ブックマン 2021年出版

 テレビを観てたら、オードリー・タンが出てて、なんでこの人、こんなにすごい人なのか知りたくて、図書館でこの本を借りて読んだ。

 オードリー・タン自身が執筆した本ではないので、この本の著者の主観的なところはちらちら見えて、たまに、どうなんだろ、と思ったが、オードリーさんの今まで生きてきた人生がざっと分かる本だった。

 ギフテッドという言葉が出てきて、子どもの頃から能力に卓越している子どものことをいうらしいが、いわゆるオードリー・タンはそういう子どもで、親も育てるのが大変だったらしい。というか、母親がとても、子どもと一緒に育つ、という感覚を持ち合わせている人なんだな、と思った。こうしなさい、というよりも、自分も一緒に考えて、オードリー・タンを育ててきたんだな、と思った。

 この本の筆者は、オードリーさんのことを、彼ではなくて彼女と呼び、それはオードリーさんが自分のことを三人称だったら何と呼ばれたいか、と必ず聞く、という話を書いていて、いまやオードリーさんのことを「彼女」と呼ぶことが当たり前になっているが、それは彼女自身が徹底してそういうことを言い続けたからだろうな、と思った。

 なんか、物腰がとても座っている人というか、この落ち着きはなんなんだろう、と思った。睡眠時間を8時間とるというところなど、共感できるところもあったし、政治の透明化のやり方など、半端じゃないな、と思った。そもそも台湾の若者がとても合理的に物事考えている人が多いらしく、そういう人たちと支え合って、今の彼女の仕事があるんだな、と思った。

 そんなオードリーさんのことを台湾の人たちが支持していて、彼女は政治的な立場で責任もって仕事をしていて、そういう関係がなりたっている台湾はとても熱いと思う。


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