見出し画像

【読書感想】ジャーナリズムのゆくえー森達也 望月衣塑子『ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと』を読んで

森達也 望月衣塑子 集英社新書 2021年出版

 クレヨンハウスのゲスト講演に森達也さんの名を見たことがあって、どういう方なんだろうと思って、本を読んでみた。

 この本では森達也さんのことがそんなに分からないかもしれないとは思ったが、読んでみて、日本のジャーナリズムってだいぶダメなんだなということを発見した。望月さんのことは知らなかったが、こういったしっかりした記者がいることにもほっとした。

 今までテレビが嫌いだったから全然見なかったんだけど、最近テレビでニュースを見るようになってから、ますます、ジャーナリズムってなんなんだろう、と思うようになった。新聞にも結構同じ印象を持ちつつある。この本を読んで、日本のジャーナリズムってそんなに海外と違うのか、と思った。森「日本のメディアはジャーナリズムの組織ではなくて営利企業なんです。」p. 63 欧米の記者は会社がどうということよりも、個人の問題意識がより強く求められている。日本の場合は無色透明なノンポリが好まれるけど、アメリカは政治信条を求められて、面接の時に支持政党を質問されることもあるという。なんか日本ってなぜか政治的な思想を公に明らかにすることに反発があるよな、と思う。ノンポリが好かれる。記者でもそうなのかい!と思った。どんな会社に勤めてても、支持政党言うのに抵抗感じるし、それはどうしてなんだろうと思う。同調圧力?欧米との違いをもっと知りたいと思った。

 主権者は国民です、と森さんが言うと、望月さんが、「主権者という意識を持つには、この国を動かしていくのは自分なのだという主観で物事を見ていくことが大切ですよね。」p. 177 こういう意識が圧倒的に日本って、ないと思う。なんでだろう、とひたすら思う。私は政治の話は、自分の生活に関わってくる話なので、とても大事なことだと思うし、投票日は絶対行くし、家族でも話す。

 この新書に書いてあることは、2020年、2021年あたりの日本の社会で、菅元総理がだめなやつだったとか、私も感じたことだったし、そんなになにか目が引くようなことは書かれていなかったんだけど、望月さんのあとがき読んでて、オリンピックなんだったんだろうな、と改めて振り返ったりしたけど、とりあえず、ジャーナリストにはもっと頑張ってほしいと思う。それでいて、ジャーナリズムを志している若者にもっと希望を持って仕事をしてほしいと思った。


この記事が参加している募集

#読書感想文

188,766件

#新書が好き

722件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?