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【読書感想】結婚について考えるー内田樹著『困難な結婚』を読んで

内田樹著 アルテスパブリッシング 2016年出版

 タイトルに惹かれて前から読んでみようと思っていた本のリストからピックアップして図書館で借りて読んだ。

 内田樹が結婚についてQ&A方式で述べてるエッセイ。うーん、この本読んで結婚ってまあしてもいいかな、とかいう気分になるかな、と思ったけど、そうでもなかった。たぶん、結婚したばかりの人が読んでみるといいんじゃないかな、と思った。全体的に内田樹の回答がすごく落ち着いていて、しごくまともなこと述べてて、結婚生活充実してる人が、結婚について述べるとこうなるような気がした。どの質問も、未婚の人が誰しも思うことだと思ったし、既婚の人も結婚してからこういう疑問が湧いてくるんじゃないかな、と思えるような、とても単純な疑問に、まっとうな意見を述べている。一言で言うなら、愛を育むというか、結婚生活を持続させるにはそれなりの方法があって、結婚生活充実してる人はそれを意識的にやっているわけではなくて、うまくいってるとこんなふうにやりくりしてるんだろうと思えることだった。

 この本を読んでる最中に街に買い物行く機会があって、電車乗ったり、買い物してるときに、世の中の男性ってどんなもんなのかな、と思って、じろじろいろんな人観察してみたけど、結婚対象になるような人と残念ながら出会わなかった。そりゃそうですよね。そんな出会いってないですよね。まあ、私としては、こんなに男性を物色して街を歩いたことは今までなかったので、それなりに楽しかった。

 自分が病になったり、不幸になった時の保険として結婚はある、といったことが書かれてたけど、私の場合、結婚する前に、自分一人では乗り切れん、死にたい、というとこまで、落ち込んだので、それを、母親と病院で乗り切ったので、これ以上不幸にならないために結婚する、という考えはわかない。今まで、病気になったりすると、一人だとご飯作らなきゃいけないし、家計を共にしてる人がいないと、常に経済的な不安がつきまとうな、とか、思ってたけど、結婚してる人はそれがうらやましいし、そういう不安が結婚することによって解消されるなら、結婚したいが、なんかそういうんじゃない、と思うので、40歳まで独身なのである。結婚してる人は、一緒に住んでる人がいるというだけで、相手に感謝した方が良いと思う。「なんかそういうんじゃない」という私の気持ちは、なにか正解があるというわけじゃないけど、ただ、そういうふうに思える相手が見つかってないだけのように思う。

 前に、無職の時に、就職が決まってから、声かけようと思っていた人がいた。相手の女性が、仕事も決まらず、ふらふらとしていたらやだろうな、と思ったし、自分もやだったからだけど、確かに、私の中で、「なんかそういうんじゃない」と思って行動に移せないことは、年を重ねれば重ねるほど、増えてきたように思う。なーんてことを、この本読了後におもったのでした。


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