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【読書感想】ロジカルな家事とは?ー勝間和代著『勝間式超ロジカル家事』を読んで

勝間和代著 アチーブメント出版 2017年出版

 一言で言うと、私は勝間和代は苦手である。成功しました女性臭ぷんぷんなので、私みたいな負け組女性としては好きになれない。嫉妬でもないが、目指したい女性像ではない。しかし、この本、すごく売れたらしいので、どんなこと書いてあんのか興味で図書館の棚に刺さってたから借りて読んでみた。

 彼女が考える「ロジカルな家事」の方法が書かれた本。特に彼女が力説しているのは、料理だ。IH鍋を二個使い、レンジ・オーブンも二台使いし、時短料理を実践する。料理はAI調理機に頼れと。掃除もルンバなど自動掃除機に頼れと。とはいっても、そんな家電は高くて買えないという主婦のために、いかにコスパが良いか、ということも丁寧に説明されている。特に塩加減などは、材料の総重量に対して、何パーセントの塩という考え方でどんな調理も簡単にできるという。そこらへんはさすが、数字が強い人だな、という感じがしたし、理屈にもかなっているし、確かにロジカルだと思った。最後の方は、家計についても書かれていて、彼女の本領が発揮されている。

 読了後、確かにIH鍋は便利そうだな、私も欲しいな、と思ったけど、味噌汁まで、IH鍋で作っているのはどうかと思ったし、フライパンで5分でできるよ、と思ったけど、そういうとこは家事は人それぞれのやり方があるので、ただ、人のやり方を垣間見る気持ちで読んでた。けど、こういう実用書って、読んでよかったというよりも、自分にどれだけ取り入れようと思うか、といったところで、結局これはありだけど、これはないな、と思うところが激しく、読むのに大して時間がかからなくても、なんか読んで無駄だったように思ってしまう。家事関係の本、結構読んだけど、結局、この方法いいな、と実践したくなるようなものは、一冊につき一個二個あっていい方で、この本ほんとに良い、と思える本は少ない。一番言えるのは、考え方を抜本的に覆すような方法が書かれていたりすると、おお、と思って実践しようかな、と思う。自己啓発本やビジネス書も似たところがある。確かに、塩をパーセンテージで考える調理方法は、料理の考え方を捉えるのに簡単な方法だな、と思ったけど、あとは、勝間さんが考える「ロジカルな方法」が書かれているだけで、読了後残るものはなかったというのが正直な感想。でも、手をかけた方がおいしい料理ができるから、とかそういうこと思ってる人がいたら、調理機に頼ってもおいしくできるのね、って発見になっているんだろう。勝間和代も出汁は、市販の出汁を使うよりも、煮干しで取った方がおいしい、と勧めているように、ここはこうした方がいい、ここは譲れない、という部分は、人それぞれだよな、と思う。

 やはり、家事本はこういう本が多い。なんかおもしろそうなことが書かれてるかもしれない、って期待して読むんだけど。家事って自分一人でやってるから他人がどんな方法でやってるのか、もっと手軽にできないかな、もっとうまくできないかな、と思ってこういう本を手にするんだけど。

 勝間和代が家事をロジカルに考えようとして、料理本100冊以上読んで、時間を割いて研究してこの本を執筆したという気持ちは分かる。


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