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静かにモテる男子ーー『いやはや熱海くん 1,2巻』を読んで

 田沼朝著 角川エンターブレイン 2023年出版

 この本も近所の東急ストアの中の本屋で購入した本。偶然出会った本にしてはとても良いマンガだった。

 私はいわゆる40代独身女性だが、腐女子っていうか、BLとかには興味がなかったな、と思って、そういうマンガに出会いたいと思っていた。

 このマンガは熱海くんというモテる男の子の話で、男の子同士の友情のような恋愛のような関係が描かれている。私は特に一巻目が好き。あまり変化のないコマの進行の仕方で、とても静かなんだがひょうひょうとした熱海くんの様子が伝わってくる。熱海くんという青年は、軽く受け流されても気にしないで生きているような、でも人生適当に生きているようで、そうでもない。それにプラスちょっと切なさ漂う。男性が好きといっても、激しい感情の表出がなく、淡々としている。二巻目はちょっとセリフが多いような気がしたが、熱海くんはあいかわらずだった。

 こういう男性はモテるだろうと思う。モテ男なのに他人のことを好きになれない、というかわいそうな男性でもなく、人を好きになってもそれを表現できない、というわけでもない。ちょっと切なさ感じるけど、それほど悲観的な感情を持ち合わせてない熱海くんは、私の世代で流行った「草食系男子」より、ずっと健全だ。

 つい最近二巻目が出版されているけど、このマンガ流行っているんだろうか。一押しのマンガである。


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