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女性が働くということーーベティ・L.ハラガン著『ビジネス・ゲーム』を読んで

 ベティ・L.ハラガン著 福沢恵子訳 光文社知恵の森文庫 2009年出版

 ジェーン・スーがTwitterで、読み直したい本ってつぶやいてて、働く女性が読む本、と言っていて、なんか役立ちそうだから読んだ。

 勝間和代があとがきを書いていて、翻訳者が日本人の女性用に書き足した部分や再構成したところがあって、ちょっと嘘くさいな、というか右の女性が読みそう、と思ったが、私の考え方とかけ離れていて、読んですごくためになった。多分1994年ごろに出版された本。アメリカの女性が書いた。

 衝撃的だったのはいろいろあったが、お茶を汲むことはしないこと、とあった。やっても、不器用そうな手つきで淹れること。周りにこういう仕事はできない、って思わせることとあった。人の仕事をやっても、結論は、誰が仕事をしたか、ということよりも、その仕事が成し遂げられたことに会社は重きをおいてるので、自分の仕事を最優先にして、守備はそこだけにすること。いっぱい働いても、報われないのが当たり前だから、そういう仕事はしないこと、とあった。女性とはそういうものだから、と。うむ。それは大いに言えてる。

 また、服装なんかにもコメントしてて、男性同様暗い色のツーピースがよい、テーラーなどで女性用のスーツをオーダーしてもよい、とあった。日本のビジネスマナーの講座を受けると、決まって言われることだが、この作者の本を読むと、合理的な考え方だし、女性っていうのは会社という軍隊のなかで働いているものだから、と言われると、妙に納得してしまう。

 管理職を目指すなら、周りに働いている人のポジションを見極める表を作って、計画的に昇格すること、とあり、野心を感じられた。けど、ちょっと怖い。けど、女性だとここまでやらなきゃいけないのね、みたいな感じもした。

 あなたが身につけるべきこと「負けても必要以上にがっかりしない」「スポーツマン精神」p. 45

 「ゲームに勝つための秘訣は誰も教えてくれない」p. 52

 「ニコニコと黙って雑用をこなす便利屋さん」という役柄だけは間違っても避けるべきでしょう。p. 67

 「やりがい幻想」にさようなら、キャリアとは、結局は「仕事を続けていくこと」そのものなのです。「やりがい」を求めるあまり、目の前にある可能性を捨ててしまうのはもったいないことではないでしょうか。p. 85

 あなたがマスターすべき仕事の方法。「全てのことを片づけようなどとは決して思わないこと」p. 138

 「アサーナティブであること」とは「自分の欲しいものをしっかり手に入れる。ただし、相手に反感を与えずに」ということを理解することです。p.155

 「基本的にオフィスの仕事は家事と似ています。つまり「やってもやっても終わりがない」ということなのです。したがって、優先順位にしたがって、毎日できるだけのことをするしか仕事をこなす方法はないのです。全てのことを片づけようなどとは決して思わないことです」p. 206

 などの言葉は、非常に現実的でとても役に立った。

 なんか、日本人が書いたビジネス書とは全然違くて、とても実用的な本だと思った。


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